中嶋 太一(桐光学園)
激戦区の神奈川展望。後編では桐光学園を中心とした実力校に迫っていきたい。
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・神奈川の横綱・東海大相模と横浜の課題は?第103回神奈川大会を徹底展望
今春準優勝で関東大会4強の桐光学園の初戦は元石川と横浜南陵の勝者と対戦。今年の神奈川では東海大相模に並ぶバランスが取れたチームだろう。最速148キロ右腕・中嶋 太一は先発・リリーフのどちらも兼任。速球の威力は今年の高校生でもトップクラスだ。ただ調子の波があり、安定感では2年生右腕の針谷 隼和が上であり、将来性の高さを高く評価する声が多い。ゲームメイク能力が長けた技巧派左腕・澁澤 康羽も控える。
打線では強打の核弾頭・寺井 雄人、バットコントロールが長け、守備力も高いショートストップ・内囿 光人、強肩捕手・石井 嘉朗、守備範囲が広く、神奈川県大会では打率5割超えの好打者・松江 一輝と野手の顔ぶれが揃っている。試合運びが堅実で、県大会では横浜を圧倒。夏までに投打の総合力を高めていきたい。
同ブロックには、強豪・武相。そして注目なのは、慶應義塾vs桐蔭学園。両校は昨秋の3回戦でも激突しており、6対1で桐蔭学園に勝利している。互いにノーシードだが、桐蔭学園が直接対決を制しているように戦力面では分がある。強打の二塁手・木本 圭一、遊撃手・松下 歩叶の二遊間は必見で、さらに静岡裾野シニア時代から注目された速球派右腕・山口 凱矢の成長にも期待がかかる。
一方、慶應義塾は前田 智徳氏の息子である前田 晃宏はテクニックが長けた技巧派右腕で、中学時代から速球派左腕として騒がれた荒井 駿也など潜在能力が高い選手は多い。最後の夏で、さすが慶応というべきパフォーマンスを発揮してほしい。
前田 晃宏(慶應義塾)
その勝者はシードの光明相模原と対戦。このブロックは序盤で強豪校のつぶし合いが起こる。今年の光明相模原は、春季県大会3試合でチーム打率.353を記録した打線が持ち味。攻守の要である遊撃手の金子 功児に注目だ。
横浜商は伊志田と瀬谷の勝者と対戦。横浜商は140キロを超える速球を投げ込む右腕・山口 塁に加え、187センチの大型スラッガー・畠山 翔と強豪私学に負けない戦力層だ。
打線が活発な日大高は松陽と横浜翠陵の勝者と対戦する。
ベスト4の日大藤沢は鎌倉と横浜翠嵐の勝者と対戦。日大藤沢は投打ともにポテンシャルが高い逸材が揃い、140キロを超える速球を投げ込む清水 虎太朗、県大会で3本塁打を放った右の強打者・柳澤 大空、提坂 朋和と見ていてワクワクする逸材が多い。同ブロックでは県大会10割を記録した巧打者・磯田 大輔を中心に県内トップクラスの破壊力を秘めた平塚学園も要注目だ。
星槎国際湘南は昨夏のベスト4入りに貢献したエースの小林 匠が投打の柱として成長し、今春の神奈川県大会では打率.714をマークした。また同ブロックでは150キロ右腕・永島田 輝斗を筆頭に140キロ超えの投手が多く揃える立花学園にも注目が集まっている。さらには140キロ超えの速球を投げ込む山岸 翠を擁し、打線も強力な横浜創学館は舞岡と瀬谷西の勝者と対戦する。
シードを獲得した相模原弥栄は追浜と金沢の勝者と対戦する。
(文=河嶋 宗一)