近畿6枠目選出も納得。達孝太(天理)のほぼ無双ピッチングを振り返る
2年続けてセンバツ出場の天理。6枠目の激しい議論の末、選出されたが、決め手の1つとしてエース・達孝太の存在が大きいという。
昨秋から先発完投を目指してきたエース・達。コールド負けした大阪桐蔭戦を除けば、ほぼ無双ピッチングといっていい。その軌跡を振り返っていきたい。
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達が見せた2つの高い能力
達孝太
まず県大会初戦の法隆寺国際戦では7回1安打完封勝利。さらに、3回戦の橿原戦では7回、11奪三振、無失点の完封勝利。準々決勝の御所実戦では6回1失点、11奪三振の快投。準決勝の畝傍戦では7回無失点完投勝利。
決勝の智辯学園戦では強力打線を抑え、9回、9安打、2四球、2失点の完投勝利を収めている。智辯学園は近畿大会で強打を発揮し、優勝を収めているが、その智辯学園を抑え込んだ投球術は大きく評価された。
そして近畿大会に入ると、まず乙訓戦で9回、13奪三振、5安打、1四球、1失点完投勝利。選考の鍵となる大阪桐蔭戦。7回11失点を喫したが、10奪三振、3四死球。2回まで4奪三振。3回表に逆転本塁打を浴びたものの、計6奪三振を記録している。
選考委員会は、この日野投球は完投した翌日の連投があったため、クオリティ面が落ちてしまい、仕方ないという判断だったのだろう。疲労がありながらも、2四球に抑えることができており、要所で潜在能力の高さだけではなく、ゲームメイク能力の高さを見せた。
達だけではなく、これまで好投手の能力を高く評価し、選出に至ったケースは多くある。近年では2019年の及川雅貴(横浜-阪神)は秋季大会の奪三振率の高さを高く評価された。
当時の及川と達と比較すると、ゲームメイク能力、投手としての完成度の高さは及川より上回っており、成績面からみても、選出は妥当といえる。
天理の長身右腕といえば、1990年夏の甲子園優勝に貢献した南 竜次(元日本ハム)、谷口 功一(元大阪近鉄など)のツインタワーを思い出す。2人とも190センチの長身から真っ向から振り下ろすフォームで剛速球を投げ込んでいた。
達は現代投手らしく、器用に投げ分ける。もし南・谷口のように甲子園で活躍を見せれば、さらに高評価を得られる存在になるに違いない。
(記事:河嶋 宗一)
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