敦賀気比vs新潟明訓
敦賀気比が底力見せて4強入り!新潟明訓は継投実らず力尽きる
勝ち越しに成功した敦賀気比
「さすがの集中力でした。こちらはいっぱいいっぱいになっていました」
試合後、新潟明訓の島田修監督は敦賀気比の終盤の戦いぶりに脱帽の様子だった。
10日に開幕した秋季北信越大会。魚津桃山運動公園野球場で行われた敦賀気比と新潟明訓の準々決勝は、延長までもつれる熱戦となったが、敦賀気比が底力を見せて準決勝進出を果たした。
初回に1点を先制された敦賀気比は、7回裏にも2点を奪われ劣勢に立たされる。
それでも8回表、二死一、二塁から1番・東鉄心がレフト線へのタイムリーツーベースを放って1点を返すと、なおも二死二、三塁で2番・森田世羅がセンター前タイムリーを放って同点に追いつく。
9回は1点ずつを取り合い試合は延長戦に突入するが、10回表、二死一、二塁から4番・大島正樹がライト前タイムリーを放って、敦賀気比は再度勝ち越しに成功すると、さらに二死二、三塁から5番・沼田航がセンター前へタイムリーを放って2点を追加。
3点のリードを奪った敦賀気比は、7回からマウンドに上がった上加世田頼希が10回裏を抑えて7対4で勝利。延長戦を制して準決勝進出を決めた。
試合のポイントとなったのは継投だ。
新潟明訓の先発・栁下祐希は、7回まで1安打無失点の力投を見せており、カットボールとカーブのコンビネーションが冴えわたっていた。
だが3点リードの8回に、1点を返されてなおも二死二、三塁のピンチで、背番号1の飯濱友翔にスイッチ。飯濱も粘りの投球を見せたが、最後は延長戦にもつれて力尽きる形となった。
だが島田監督は、「栁下は予想以上に良すぎました。県大会では飯濱のお陰で勝ってきましたし、飯濱で打たれて負けたのであればみんな納得するはずです」と語り、栁下、飯濱の両投手の投球を称えた。
反対に勝利した敦賀気比は、東哲平監督が「8、9、10回くらいの集中力を初回から見せてほしい」と選手たちに更なる奮起を促すなど、試合にはまだまだ納得のいっていない様子だった。
準決勝は、佐久長聖を下した関根学園と対戦する予定となっている。
先発の竹松明良も決して悪い投球ではなく、リリーフの上加世田も最速138キロの直球を軸に堂々としたマウンド捌きを見せた。
準決勝ではどんな戦いを見せるのか注目だ。
(文=栗崎祐太朗)