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まさに世代屈指の投球!最速154キロを誇る剛腕・関戸康介(大阪桐蔭)の進化のポイントを解説

2020.08.09

まさに世代屈指の投球!最速154キロを誇る剛腕・関戸康介(大阪桐蔭)の進化のポイントを解説 | 高校野球ドットコム
写真は昨秋の大会より

 8月7日、大阪桐蔭関戸康介が圧巻の投球を見せた。上宮太子戦で、3回5奪三振の快投を見せた。そんな関戸の投球について迫っていく。

 その投球は、本人が語るように確かにばらつきがあったと思うが、唸るようなストレートは前回の試合と比べても勢いが増している。

 遠投115メートルの強肩を生かすために、投球フォームは体全体の力を生かす下半身の使い方をしている。軸足に体重を乗せて、プレートを強く蹴ることで全体的に勢いを与えて縦回転で投げることを意識している。

 投げるポイントについて関戸は「リリースで100の力を持っていけるかを意識しています」と語るように、勢いがあるように見えても余計な反動を使って投げる意識は見られず、ほどよく脱力ができている。

 最速154キロを計測したといわれるストレート、確かに目測でも140キロ後半は出ていそうで、この夏、最速150キロを計測した風間球打(ノースアジア大明桜)と比較しても変わりないレベルだ。

 さらに縦横のスライダーもしっかりとカウントを稼ぐことができており、変化球の精度も高い。現在はスプリットも習得中だという。

 これほどのストレートを投げながら多少のばらつきはあっても、ピッチングに余裕があり、しっかりと打者と向き合って投球ができる。彼の冷静ぶりが理解できる。

 3イニングで5奪三振。この「奪三振」は関戸の調子のバロメーターを表すものだ。
 「調子がいい時は三振多く取れますし、三振を取れば気持ちも上がっていき、気持ちが上がっていけば球の質が上がってくるので、三振は自分の調子のバロメーターと思っています」

 

 この夏まで、活動自粛期間があっても意識高く持ってトレーニングをしてきた。まだ完璧な調子ではないが、昨秋よりもレベルアップしているのは自覚の高さによるものだろう。

 そして同じ短いイニングの起用でも明確な違いがある。昨秋まで経験を積ませるための登板だったが、現在は明らかに勝ちにいくためのリリーフである。関戸はその起用の変化にやりがいを感じている。
 「今日も少し荒れたんですけれど、チームがいい形でこれていない中で7、8、9回と流れを変えるピッチングというか、チームに勢いをつけるピッチングができました。秋は経験させてもらえる形だったんですけど、チームの勝利ということを意識してやっていけたというところが成長だと思います」
 そして準決勝まで勝ち進めば履正社と対戦する可能性がある。関戸はこの試合へ向けてこう意気込んでいる。
「やはりいい形で交流大会に入ってきたいと思いますし、直接対決ではやはり負けたくないので、良い準備をしていきたいと思います。そこまでもう1試合あるので、そこをしっかり勝って繋げていきたいなと思います」

 西谷監督は「まだ勢いだけで投げているところがあるので、コントロールができていないなというところがあります。本当はもっとコントロールの良いピッチャーなので、次の試合までによくしていきたいなと思います」

 勝ち進むごとにさらに進化を見せるか。関戸のピッチングに注目だ。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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