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打倒私立、初の甲子園へ!八戸西(青森県)は私立に負けないフィジカルと技術で勝ち上がる!

2020.03.08

打倒私立で甲子園初出場を目指す

■悲願の甲子園初出場へ

 青森県八戸市に校舎を構える青森県立八戸西高校。「自啓自発」を校訓に文武両道を実践する。学科は普通科(4クラス)とスポーツ科学科(1クラス)があり、約600人の生徒が在籍する県内有数の進学校である。硬式野球部の甲子園出場経験はなく、県大会決勝進出が最高成績である。地元では“西高”の愛称で親しまれている。

■打倒私立

 野球部は1年生20名、2年生18名の38名の八戸西。今年は守備力、機動力、元気の3つを武器に「春の甲子園に向けて、春の東北大会に出場して決勝まで勝ち上がる」ことを秋の目標にスタート。しかし秋季大会は県大会1回戦で木造に3対10で敗れた。

 八戸学院光星青森山田などの強豪私立を倒して甲子園で1勝することを目標に、日々の練習に励む八戸西ナイン。2019年春からユニフォームのデザインを一新し、「ニューヨーク・ヤンキース」モデルのピンストライプのデザインとなった。

 野球部の主な練習拠点は校舎敷地内の野球場と室内練習場で、オフシーズンは「私立と戦っても負けない体作り、スイングスピード向上などの基本的な力を上げる」ことをテーマに練習。時には八戸市の白浜海岸にてラントレーニングを行った。

■一戦必勝を痛感した木造戦

 チームにとって思い出深い試合を主将の西舘智亮に伺うと、秋の青森県大会1回戦の木造高校との試合をあげてくれた。「次の青森山田との試合のことを考えて、目の前の試合に集中できず、結果的に点差を離されると追いつくことができず負けてしまった」とマインド面での反省の言葉でその試合を振り返った。甲子園初出場に向け突き進む八戸西の選手たちはどんなオフシーズンを過ごしているのだろうか。

■ここまでの戦いを支えたキーマン

 秋の大会を終え、ここまでの戦いを支えたキーマンに1番の沢田浩太の名前があがった。「チームNO.1の打撃センスがあり、得点に絡める選手」と西館主将も太鼓判を押す。1番打者としての出塁や粘り強いバッティングが持ち味の選手で、今後のさらなる成長にも期待がかかる。

 また、1年生の福島蓮投手も期待の選手の一人だ。1年生ながら130キロ後半の直球が武器で、試合を作れる投手としてこれから勝ち残る上で欠かせない存在となるだろう。

 最後に西舘選手へ意気込みを伺った。
 「甲子園でも勝ち進んでいけるように土台作りをしていきました。春、そして夏は優勝します!」

[page_break:学年関係なく指摘しあえる関係]

学年関係なく指摘しあえる関係

 ここからは八戸西を牽引する山田英俊投手と、宮﨑一綺選手の2人に話を聞きました。

Q.秋季大会など、ここまで試合を通じて見つかった課題を教えてください

山田:球速と、体力をもっとつけることです。そしてリリーフの時の準備の仕方が課題でした。
宮﨑:守備では、送球の不安定さ、球際の弱さ、一歩目の遅さが課題です。そして打撃は、勝負弱さ、バントやエンドランなどの精度。また打球が弱いことと、飛距離が出ない。さらに走塁では足の速さだけではなく、積極性や打球判断が課題だと感じています。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいところを教えてください。

山田:上半身、下半身の筋力強化です。そして、正しいフォームを作ることです。
宮﨑:自分は身長が低いので、まず、体を大きくして、ホームランも打てるバッターを目指してやっていきました。また昨シーズン、自分はバッティングフォームが定まらず、スイングが弱くなってしまったので、このオフシーズンで、フォームを固め、力強いスイングができるように強化します。そして守備では、基本を身に付けます。

Q.応援する方々へ自分に自分のここを見て欲しいと言うのを教えてください。

山田:全球種のコントロールです。
宮﨑:自分はこれまでの練習の中で、守備だけは誰にも負けたくないと言う高い意識を持ち練習に励んできました。まだまだ、1歩目が遅く球際に弱いですが、肩には自信があるので、守備を見てほしいです。

Q.このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどこですか。

山田:積極的な走塁なら負けないです。
宮﨑:このチームの好きなところは学年関係なく、仲がよくて、楽しく野球ができているところです。そして他のチームに負けていないところは、チームワークの良さだと思います。全員でお互いに声をかけたり、教えあったりすることが活発にできている部分は他のチームに負けていません。

Q.春以降の熱い宣言を最後にお願いします!

山田:春季大会で140キロを出します!
宮﨑:オフシーズンで自分は心も体も大きくし、プレーでは、1つ1つの練習を自分なりに工夫していきました。守備ではノーエラー、打撃ではホームランを打つところまで成長します。そして精神面では、ピンチでもチャンスでも焦らずに落ち着けるようにし、誰よりも気配りをできるようにして、いつでも、周りを見て動ける選手になります。

 山田選手、宮﨑選手ありがとうございました!

今は自分と向き合う時間

 ここからは小川貴史監督に話を伺いました

Q.今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 走塁練習に重きを置いて練習や実戦をしてきました。特にランナー一、三塁でのケースでは、夏に聖愛高校にやられたことを選手全員で確認して、対策を講じてきました。
 また、遠くに飛ばす能力を持っていた3年生とは違うことを理解して、シングルヒットやバント、走塁を絡めた野球をしようと徹底してきたつもりです。

Q.オフシーズンを振り返って、何を大事に練習をしていきましたでしょうか。

 雪解けしてグラウンドが使えるようになれば、チーム練習が増えて自分と向き合う時間が減ってくるので、オフシーズンはフォーム固めやフィジカルの強化を後悔しないように取り組んでもらいました。目標管理シートの達成について、野手は例えばベンチプレスで言うと100キロを目標に取り組んでいて、苦しいと感じたことのあると思うが、春に送球や打球が強くなることを信じて何でも目標を達成して欲しいと思い、練習をしていきました。

 小川監督、そして八戸西高校の皆さん、ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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