1本塁打2安打3打点の阪神2位の井上広大の活躍の背景にあった打ち損じしない技術の高さ
履正社時代の井上広大 ※写真は共同通信
阪神ドラフト2位の井上広大(履正社出身)は四国銀行戦で大活躍。まず大学時代からドラフト候補として注目された最速147キロ左腕・平山 史崇が投じた高めの直球をとらえてレフトスタンドへ飛び込む特大本塁打。さらに2年前のドラフトで最速151キロの銀行マンとして注目された菊池 大樹からも適時打を放った。
社会人野球はプロとの交流戦で投げる投手は、主力級かドラフト適齢期の若手速球投手が投げるのが定例。これは独立リーグがNPBと交流戦する場合も、エース級が標準に合わせる。だから井上がそういう試合でいきなり結果を出したのは非常にポイントが高い。まだ高卒1年目の選手たちは春にいきなりスタメンを与えられる立場ではないからだ。
本塁打を打った打席を見ると、甘い球。甘い球は打って当然のスキルという声もあるだろう。だが、甘い球を打ち損じている選手は非常に多い。それができる井上はこのボールを打つために3年生の春から夏までに磨きをかけてきた。ドラフト前のインタビューではこう答えている。
「自分が取り組んだことは、どんなボールでも前で捉えようとしていたのを、体の中で捉えることによって、ボールを見る時間が長くなりました。チームでは追い込まれてからの時間を長くするために、低めの変化球もワンバウンドを振らないことを徹底してきました」
今回の本塁打にしても、タイムリーにしても、それを実践できるレベルまでに到達している井上は例年の高卒スラッガーと比較しても群を抜いている。
これから多くの実戦を積むことになると思うが、普段の練習から木製バットで打つ技術を磨くだけではなく、配球を読み、さらにスイング軌道も変化させてきた井上の姿勢は実戦の舞台で強く生きるだろう。これからも虎党をワクワクさせる打撃を見せてくれるに違いない。
(記事=河嶋 宗一)
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