高校野球ドットコムが選んだ「2019年最強ベストナイン&MVP」を発表!
ドットコムが選んだ「2019年最強ベストナイン&MVP」がこれだ!
2019年度の高校野球も数々の熱戦が行われた。春は東邦、夏は履正社が甲子園優勝を収めた。今回は数多い活躍を見せた高校球児の中から2019年最強ベストナインを発表していきたい。
栄えあるベストナインに選ばれたのはこの9名だ。
投手 奥川恭伸(星稜)
捕手 藤田健斗(中京学院大中京)
一塁手 平泉遼馬(関東一)
二塁手 黒川史陽(智辯和歌山)
三塁手 石川昂弥(東邦)
遊撃手 上野 響平(京都国際)
左翼手 菊田 拡和(常総学院)
中堅手 森 敬斗(桐蔭学園)
右翼手 井上 広大(履正社)
今年は佐々木朗希(大船渡)をはじめに高校生投手ドラフト1位が4人も選ばれた高校生投手は豊作だったが、やはり実力、実績ともにナンバーワンは奥川恭伸だろう。選抜の履正社戦で17奪三振完封、選手権の智辯和歌山戦の延長14回の快投、世界大会の18奪三振の快投。すべての大会で伝説を残してくれた男だった。ダントツの選出である。
捕手は藤田健斗を選出。藤田が日本代表入りしている水上桂(明石商)、山瀬慎之助(星稜)の2人をしのいで、ベストナインに選んだのは攻守の総合力の高さである。粗削りさがなく、キャッチング、スローイング、複数投手陣を導いたリード。特に緊張しやすく、制球力がアバウトな赤塚健利に対してはど真ん中を要求し、球威のあるボールを投げさせ、結果的に散らせて打ち取る配球をしていた話を聞いたときは、驚かされた。クレバーさが突出していたので、選出が決まった。
一塁手は平泉遼馬を選出。2年秋まで怪我で苦しんでいたが、わずか1年で高校通算41本塁打まで積み上げた打撃技術。そして堅守をウリとする関東一で揉まれたこともあり守備力も高く、選出となった。
二塁手では黒川史陽を選出。木製バットを使った国際タイでも9打数7安打を放った打撃技術の高さは今年の高校生内野手でも突出したものがあり、また智辯和歌山で強烈なキャプテンシーの高さを発揮し、技術、ポテンシャル、人間性含めてピカイチな選手だった。
三塁手は石川昂弥を選出。全国舞台では異常な強さを見せ、選抜では3本塁打を放ったが、決勝戦で放った2本塁打は高校生ではお目にかかれない衝撃的な一発だった。また世界大会でも本塁打を放ち、今年の高校生打者でも突出している。
遊撃手は上野 響平を選出。日本代表に選ばれた遊撃手よりも良いと思ったのは、牛若丸と表現できるような動きのレベルが段違いだからだ。近畿大会では三遊間の深い位置からでも、追いつく抜群のスピード。そしてほぼダイレクトで投げられるスローイング技術は突出している。
レフトは菊田 拡和を選出。高校通算58本塁打のうち、一番すごかったのは明豊との練習試合で放った右中間場外へ消えた本塁打。打った瞬間、弾丸ライナーで消えていった打球はとてつもないものがあった。1年間見てきて、菊田並みの打球を放つ右のスラッガーは井上 広大ぐらいではないだろうか。
センターをもともと遊撃手の森 敬斗を選んだのは、世界大会で見せた森のパフォーマンスがどのセンターよりもポテンシャルの高さを感じたからだ。まだ経験不足なミスは見られる。しかし高い瞬発力を生かしたスピード、勢いあるチャージングから放たれるスローイング、打撃も木製バットに順応し、体幹をうまく使ったスイングは近本 光司(阪神 社出身)を彷彿とさせた。世界大会ではアメリカの速球投手が投じた146キロの内角ストレートを振りぬいて三塁打にした打撃、そして三塁までかけこんだスピードともに衝撃を受けた。多大なる可能性を感じる森のプレーは、ベストナインにふさわしいものだった。
ライトは井上広大。夏の大阪大会・甲子園を合わせて7本塁打。井上を見ていて感じたのは読みの鋭さ。カーブ、ストレート、スライダーを決め打ちにして本塁打にしてしまう井上の打撃技術はほかの高校生にはない強みがある。本塁打を見るたびにパワーの凄さを感じるのと同時に「相変わらず読みがうまいな」とつぶやくほどだ。
配球が緻密になるプロの世界で井上のスタイルは大きな強みとなるはずだ。
そしてMVPは9人を候補として、1年間の成績、活躍のインパクトを評価し、奥川恭伸(星稜)を選出した。奥川の1年はスーパーピッチャーはどうあるべきかを体現させてくれた。
2020年はオリンピックイヤー。どんな選手たちが高校野球を盛り上げてくれるのか、楽しみだ。
(文=河嶋 宗一)
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