清水 達也(中日ドラゴンズ・投手) 聖地の頂点糧に、今度はナゴヤドームで頂点へ
令和という新しき元号を迎えた2019年のプロ野球で、高卒2年目・1999年度生まれの選手たちが躍動している。現在、セ・リーグの本塁打・打点部門2冠を見据える村上 宗隆(東京ヤクルトスワローズ・一塁手兼三塁手)を筆頭に、外国人選手1名を含む支配下登録選手34名(セ・リーグ17名、パ・リーグ17名)中、19名(セ・リーグ10名、パ・リーグ9名)が早くも一軍の舞台を踏み、それぞれの舞台で活躍を続けている。
そこで、今回はその中で特に将来が期待できる選手を何人か取り上げていきたい。第2回は中日ドラゴンズで今季2勝をあげた右腕・清水 達也(しみず・たつや)を紹介する。
第1回はこちらから
◆平良 海馬(埼玉西武ライオンズ・投手) 最速156キロの原動力は八重山商工時代の猛練習
名リリーバーとして花咲徳栄を聖地の頂点へ
高校時代の清水 達也
182センチ83キロの恵まれた体格と長い腕を最大活用して投げ込む最速150キロ・常時145キロ前後のストレートと140キロ前後のフォーク・130キロ台のスライダーを使い分ける中日ドラゴンズの背番号「50」清水 達也(182センチ83キロ・右投右打)。昨年は高卒1年目で2試合に登板すると、今季は5月12日・阪神甲子園球場での阪神タイガース戦で一軍初先発。5回92球4安打4奪三振2失点で試合を作り、「あの時」にはできなかった先発でのプロ初勝利を手にした。
その「あの時」とは2017年夏、灼熱の聖地・甲子園での「第99回全国高等学校野球選手権大会」である。
埼玉県・深谷市立清水小1年時に深谷ボーイズで野球を始めた清水は、深谷市立清水中では軟式野球部のエースとして活躍。Kボールの県選抜チームである埼玉スーパースターズでは「第9回15U全国KB野球秋季大会」でベスト8入り。その勝負度胸を買われ花咲徳栄(埼玉)に入学するとすぐに控え投手としてベンチ入りし、春夏連続甲子園出場した2016年夏には聖地のマウンドにも上った。
そんな清水は最後の夏、一気にスターダムへと昇り詰める。埼玉大会から綱脇 慧(現:東北福祉大2年)からのリリーバーが機能し、全国では自己最速の150キロをマーク。花咲徳栄は埼玉勢初の夏頂点獲得に導くと、侍ジャパンU-18代表にも選出。「登板最初から100%を出せるような準備」で7回3分の2を投げ9奪三振でWBSC U-18野球ワールドカップでの3位に大きく貢献。「名リリーバー」として同年ドラフト4位での中日ドラゴンズ入りを果たしたのであった。
貴重な経験を経て真なる「竜のエース」に
2018年、1年目から二軍で登板を重ねた清水のデビューは早々に訪れた。2018年6月27日・明治神宮球場での東京ヤクルトスワローズ戦。1回無失点。そしてプロ初奪三振は日本プロ野球シーズン最多本塁打記録保持者であるウラジミール・バレンティン。この年の一軍登板は2試合に留まったものの、竜党はこの若竜に近未来の光を垣間見た。
そして今年、プロ初先発で初勝利をもぎ取った清水は、続く5月19日の読売ジャイアンツ戦でも5回2失点の粘投でナゴヤドームでの2勝目。その後も勝ち星にこそ恵まれなかったものの、7月前半までローテーションを守り8試合で2勝2敗・防御率4.33。現在はナゴヤ球場で研鑽を積んでいる清水だが、防御率は2点を切る勢い。再び一軍のマウンドに戻る日、真なる「竜のエース」となる時はもうすぐである。
関連記事はこちらから
◆清水達也(花咲徳栄) 「寒空を切り裂く剛速球!甲子園優勝投手が戻って来た!」