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長野県秋季大会展望 北信越大会に出場するのはどこだ!

2019.09.19

 4地区の各予選上位6校、計24校が県大会に臨む。1日目は地区4-5位校、3-6位校の対戦となり、勝者が翌日、地区1位校、2位校とそれぞれ対戦。日程的にも優位な1位、2位校が上位争いの軸になってくると思われる。

上田西が一歩リード 飯山との対戦はあるか?

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上田西のエース・阿部巧雅はたくましさを増している

 その中でも、一歩リードしているのが東信地区1位の上田西。この夏のエース阿部巧雅はたくましさを増している。夏の準決勝でも先発した1年生左腕山口謙作も健在。予選4試合で2失点の強力投手陣は心強い。夏からのレギュラー高寺望夢清水怜はじめ野手陣にも経験者が残り、得点力、守備力とも高い次元を保っている。

 その上田西が対戦を心待ちにするのは、隣のブロックの飯山(北信2位)だ。この夏の準決勝で0対3で敗れ、初優勝を許した相手だ。

 飯山は甲子園でもリリーフ登板したエース常田唯斗が、夏の反動を感じさせず順調に仕上がっている。140キロ超えのストレートと切れ味鋭いスライダーは、1、2年生チームにとってはかなり攻略が難しい。日程的にも余裕があるため、常田を万全な状態で難敵にぶつけられるかが鍵。総入れ替えになった野手陣だが、現2年生が1年生だった秋、北信地区の1年生大会を制せしているだけに、経験を積めばその伸びしろも期待される。

 その隣のブロックでは、1回戦の長野商(北信3位)―松本第一(中信6位)戦が注目。長野商は予備戦での敗退から苦しい戦いが続いている。松本第一も地区6位通過と苦しんだが、昨秋北信越で1勝している野手陣が多く残るだけに侮れない。その勝者は2回戦で飯田(南信2位)と対戦。飯田も夏のレギュラー組が複数残る大型のチームだけに、この3チームは混戦が予想される。

 隣のヤマには中信1位の松商学園が入った。6季ぶりに地区優勝の松商は複数投手の継投で勝ち上がってきた。いずれも豪腕タイプではないが、試合を作れるのが強み。野手陣も夏からの二遊間ほか、足のある選手も加わり、攻守で安定した試合運びができる。

[page_break:東海大諏訪や佐久長聖など強豪がひしめくブロック]

東海大諏訪や佐久長聖など強豪がひしめくブロック

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佐久長聖は左腕エースの梅野峻介を中心に安定した戦いを見せる

 反対のブロックには、東海大諏訪(南信)と長野日大(北信)の地区1位校が入った。東海は夏から野手が総入れ替え。ただ左腕有賀達彦、捕手の黒澤駿太の公式戦経験のあるバッテリーを軸に予選では危なげない戦いぶりを見せてきた。それだけに接戦の場面でどれだけ粘れるか、真価が問われる。

 その東海と準々決勝で当たるブロックには、佐久長聖(東信2位)が入った。長聖はこの夏、8年連続の決勝進出を逃し、初戦で敗退。例年になく新チームは早く船出した。左腕エース梅野峻介を柱に夏のレギュラー二遊間も残りセンターラインは安定する。やや迫力に欠く打撃で、どこまで投手陣をカバーできるかがポイントになりそう。

 長野日大は、競り合いを制しながら地区を1位通過。落合快斗山岸亮太栗木将太の継投が濃厚だが、特に栗木の復調が待たれる。その栗木と夏から中軸を任された丸山慶一郎が得点源となる。

 長野日大ブロックの2位校は、日本ウェルネス(中信)。長身エース織原啓太郎、左腕山中省吾ら厚い投手陣が売りだ。足のある浅沼春輝山上暁の1年生二遊間コンビが得点の起点となっていく。

 ウェルネスの下ヤマに入った、小諸商は東信3位だが侮れない。夏も柱で投げた土屋呉巴加藤大雅の左右コンビはたくましさを増した。野手陣はほぼ総入れ替えだが、スピード、技術力とも公立校の中では群を抜く存在。東信予選準決勝は佐久長聖に1対3で競り負けている。

 ここまで紹介した以外にも核になる投手を抱えるチームは少なくない。3~6位チームはまずは1回戦をきっちり勝ち切れることが大事になる。
 北信越大会に進めるのは上位3校。それにはまずは準決勝に残らなければならない。準々決勝の前後は中2日空くだけに、特に投手起用にはこの休養をうまく使いたい。昨秋は地区1位の4校が、そのまま県でもベスト4入り。今秋も再現なるのか、下剋上が起きるのか、熱戦が期待される。

(記事=小池 剛

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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