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【U18日本のライバル国紹介】大会5連覇を狙うアメリカ代表。150キロ超えの投手、スラッガーがズラリ!

2019.08.30

 初優勝を目指す日本にとって、最大のライバルは4大会連続優勝のアメリカだ。2017年のアメリカ代表はメッツドラフト1位のジャレッド・ケレニック(現・シアトルマリナーズ)を筆頭にドラフト指名選手が10名いた。もちろん今年のアメリカ代表も超強力で化け物揃い。日本とアメリカは同ブロックで、現地時間の9月1日18時に対戦する。そんなアメリカ代表の注目選手を紹介したい。

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今年のアメリカ代表も超強力で化け物揃い 写真は第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップから

 今年の代表でナンバーワンピッチャーとして見られているのが、ミック・エイバル(Mick Abel)だ。ミックは195センチの長身からインステップに踏み出して右スリークォーター気味に腕を振っていく剛腕。右打者には内角へ厳しく常時150キロ前後の速球を投げ込んでおり、恐怖感を感じる。多少、制球のばらつきはあるが、荒れ球で狙い球が絞りにくい。球威があるので、木製バットではなおさら飛びにくい。さらに、140キロ前後のスプリット、135キロ前後のカットボールも低めに集めており、実戦力も高い。

 そして最速158キロ右腕・アレハンドロ・ロサリオ(Alejandro Rosario)はスピードに関しては今年のアメリカ代表ではトップクラス。130キロ近いカットボールの切れもよい。練習試合ではやや打たれたが、それでも日本代表にとって脅威となる剛腕だ。

 他では、ジェイソン・サヴァクール(Jason Savacool)も面白い。常にセットポジションから始動し、140キロ後半の速球に加え、カットボール、ツーシームなど変化球が多彩。打ちにくさがあり、短いイニングでは打ち崩せない。

 ルーカス・ゴードン(Lucas Gordon)は派手さはないが、日本代表が苦手にしそうな技巧派左腕。技巧派といっても、140キロ前後を計測し、125キロ前後のシュート、スライダーを武器にする。日本ならば速球派に入るが、アメリカならば技巧派に分類されるぐらい、今年の代表投手陣のレベルは高い。

 大会直前で高校生ナンバーワン左腕と呼び込声が高いネイト・サビーノ(Nate Savino)がロースターから外れ、苦しい状況となったが、それでも150キロ超えの投手は多く、ハイレベルな陣容となっている。

【野手陣】
野手陣のレベルは非常に高い。正捕手のドリュー・ロモ(Drew Romo)は攻守ともにバランスが取れた好捕手。二塁送球では2.00秒前後で、スローイングも正確で高い阻止率を誇る。打撃はインパクトまで無駄のないスイング軌道で広角に打ち分ける打撃が特長だ。強肩強打の捕手・ジャック・バルガー(Jack Bulger)も1.9秒台のスローイングで多くの盗塁阻止を演出してきた。
ノーラン・マクレーン(Nolan McLean)は二刀流。野手としては思い切り振り回す打撃スタイルで、長打を連発。投手としては横振りの投球フォームから140キロ後半・速い時は150キロを超える。

 ミラン・トレンティーノ(Milan Tolentino)は元西武のホセ・トレンティーノの息子。バットコントロールの良い打撃に加え、強肩が光る守備二も注目。安打を量産してチャンスメイクが期待される選手だ。

 今年の代表選手で最も長打力があるのは、オースティン・ヘンドリック(Austin Hendrick)。重心が高い構えからボールを手元まで呼び込んで長打を連発する。

 AJ・ブコビック(AJ Vukovich)も、怖い存在。重心が高い構えだが、多少泳いで打ってもスタンドインしてしまう技術の高さ、パワーは圧巻の右のスラッガー。タイミングが合わない空振りも多く、思わず穴が多い打者に見えるが、バシッとタイミングが合った時、高確率で長打にできる選手だ。要注意選手といえるだろう。

 何もかもパワーで圧倒するアメリカ代表。怖いチームだといえるだろう。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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