打率.435のリードオフマン・松浦隆己主将(神戸国際大附)を支える広い間合い
育英を7回コールドで下して3季連続で決勝戦に勝ち進んだ神戸国際大付。怪我から復帰したエース・鍵翔太や松本凌人に左の西井諒の強力3本柱。さらに柴田大成に柴野琉生の強力打線と投打でバランスの取れているのが今年のチームだ。
そのチームをまとめるのが1番ショート・松浦隆己だ。柔らかく余裕を持った守備を見ればどれだけセンスがあるのか、わかるだろう。しかし松浦は守備だけではなく、バッティングも、準決勝までで23打数10安打3打点、打率.435という素晴らしい数字を残している。
自分の間合いでボールを捉えられる軸の安定感とゾーンの広さ
松浦隆己(写真は2019年 春季兵庫県大会 地区予選 ブロック決勝 須磨翔風戦から)
活躍を見せた準決勝・高砂戦の活躍を振り返っていこう。
まず1打席目は先発の石澤拓大の前に空振り三振に喫するが、2打席目は1ボールから真ん中に入ってきたストレートを捉えてレフトスタンドへ。今大会初のホームランで2点を追加。この試合5打席で5打数3安打2打点1本塁打の活躍だった。
松浦の打撃はコンタクト力の高さが光る。どのタイプの投手にも対応し、広角に打球を飛ばし、安打を量産。強力な神戸国際大附打線の火付け役として欠かせない存在へ成長した。
スクエアスタンスで、バットは耳の高さで少し寝かせた状態で待ち構える。そしてピッチャーが足を下ろし始めると同時に左足を少し軸足に寄せ、ほとんど足を上げることなく前へ踏み出す。こうすることで目線の上下にぶれることは少ない。
バットはレベルで出せる分、ボールを捉えられる範囲は広い。さらに体は前へ突っ込むことなく、しっかり軸で回転できているおかげで、松浦のミートポイントにしっかり迎え入れて打つことができている。この試合の2、3打席目はレフト、そして4打席目にはライト前に打つなど、広角なバッティングを実現しているのはこのポイントの広さがあるからだろう。
打撃だけではなく、軽快なフットワークが光る遊撃守備も注目だ。主将として、そして1番打者としてチームの先頭に立って、明石商の厚い壁を壊すことができれば、2年ぶりの甲子園の道も拓けてくるはずだ。