選抜出場校に欠かせない存在の女子部員 浜田芽里さん(石岡一)が追いかける甲子園と女子プロ野球選手
今年、21世紀枠として初のセンバツ出場を果たした石岡一で女子プロ野球を目指して、練習に取り組んでいる選手がいる。それが浜田芽里さん(めいり)だ。直向きに練習を取り組む浜田さんの存在は、チームメイトにも認められ、今や欠かせない存在となっている。
2人の兄と川井政平監督の指導に惹かれて石岡一へ
ピースサインを見せる浜田芽里さん(石岡一)
浜田さんは、2人の兄に影響され、小学校1年に野球を始め、瓦会スポーツ少年団に入団すると、捕手・二遊間を兼任。そして八郷中に進むと、最終学年ではレギュラーを獲得する。
そして中学3年生のとき、女子硬式野球部に進むか、男子の硬式野球部に所属に進むか迷った。しかし、当時、茨城県には女子硬式野球部はなく、県外に進むしかなかった。
「今年から新しく岩瀬日大にできたんですが、中学3年の時、県外の女子硬式野球部を回ったのですが、行きたいと思った学校には寮がなかったです」
悩んだ結果、地元の石岡一に進むことを決めた。石岡一に進んだ理由として、石岡一野球部出身だった2人の兄と川井政平監督の存在が大きかった。
「野球を始めたのは兄の影響ですし、兄がプレーしている姿を見て、川井先生の熱い指導姿を見て惹かれました。もし川井先生がいなければ、石岡一に進まず、県外で寮生活を選んでいたと思います」
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チームメイトの教えも受け日々成長
バットを構える浜田芽里さん(石岡一)
高校に進むと、男子との体力差を実感したが、それでも「男子と混じった中でやることがレベルアップにつながると思って」と日々の練習に取り組んだ。試合出場がBチームの出場が中心。スタメンで試合出場するときは、7、8番。ついに初ヒットが出たのは1年秋の水戸農戦との練習試合。
右投手からのストレートを捉え、打球はセンターへ抜けていった。ヒットを放った時の心境について、
「あの試合はうまくバットが抜けてくれて、しっかりと捉えることができました。抜けてくれた瞬間は気持ちよかったですね」
と笑顔を見せる。また、このヒットの瞬間、ナインも自分のことのように喜んだ。その中で最も喜んでいたのは4番飯岡大政だ。浜田さんと一緒に自主練習をして、打撃フォームも指導していた。
「芽里は夜遅くまで自主練習をしていて頑張っていました。だからあのヒットは自分がホームランが打ったことのように嬉しかったですね。ヒットを打った時のボールはベンチに下げてもらって、芽里にプレゼントしたんです!」
直向きな姿にナインにも慕われる存在となった。そして今年の春、センバツに出場し、スタンドから選手の姿を見守った。
「とても良い光景でしたが、初戦で負けたのは悔しかったです」と振り返る。現在、チームでは筋力強化に励んでいるが、浜田さんも長打力アップを目指して、筋力トレーニングに取り組む。
将来に向けて意気込みを語った浜田芽里さん(石岡一)
「ウエイトトレーニングは苦手な種目ですが、それでも自分は体が小さい(154センチ)ので、筋力トレーニングに取り組んで、力をつけていきたいです。単打、単打が多いので、今よりも飛ばす打撃ができればと思います」
大事にしているのは同級生・飯岡の教えだ。できるだけインパクトまで最短で出して、無駄な動作を省いて打球を飛ばすことを意識している。小さな動きで飛ばすには、一定以上の力が必要となる。だから筋力トレーニングが大事となる。
将来の夢は女子プロ野球選手。高卒で育成チーム「レイア」に入り、トップチームでプレーする為に練習の毎日だ。
その姿に川井監督も「よく頑張っていると思います。男子が交じる中だと、試合に出場するチャンスは女子だけの野球部と比べると難しいですが、それでも彼女の夢のためにできることはしていきたいと思います」
高校野球はあくまで通過点。自分の夢を叶えることを目指して、浜田さんの挑戦は続く。
(取材・河嶋 宗一)
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