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日大藤沢ブロックが最も熾烈!鎌倉学園、桐光学園の戦いの行方は?【前編】

2019.06.09

 6月9日、全国で最も注目度が高い第101回神奈川大会の組み合わせが決まった。今回の神奈川大会で特徴的なのは、桐蔭学園慶應義塾横浜隼人といった毎年、上位争いをするチームがノーシードなことだ。

 しかも例として挙げた3校はともに実力校。どのブロックに入るのかに注目が集まった。さて、シード校の周りにはどんな実力校がひしめいているのか、注目選手をあわせて紹介していきたい。まずはトーナメントの左側から。

鎌倉学園には公立校の注目校がズラリ 日大藤沢ブロックは熾烈!

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作野友哉(鎌倉学園)

 まずベスト4の鎌倉学園は、開幕戦に登場する神奈川金沢vs津久井浜の勝者と対戦する。春の鎌倉学園の戦いぶりを振り返ると、リーグ戦から競り合いの連続。1点差勝利は5つという驚異的な粘り強さ。

 特に準々決勝の向上戦では延長14回まで粘った。突出した選手はいないが、その中で期待したいのはエース左腕・作野友哉だ。準決勝の東海大相模戦で敗れたものの、4失点完投。強豪校を苦しめる投球術を持った左腕だ。また作野以外の投手陣も県大会で好投を見せており、夏も継投策をメインとした戦いぶりが考えられそう。しぶとい試合運びで勝ち進んでいきたい。

 同ブロックで注目したいのは、城山。遊撃手の高橋遥也は攻守でバランスが取れており、その力量は強豪校の遊撃手と比較しても遜色ないレベル。高橋を中心にどれだけチーム力が上がっているか注目だ。また、同ブロックでは公立の実力校・大師が登場する。

 また同ブロックのシード校は厚木北。初戦は厚木東と麻生総合・市川崎と対戦。厚木北は秋から活躍する本格派右腕・奈良竜王介が軸。秋に見せた粘り強い戦いを見せていきたい。同ブロックでは横浜商大高が構える。打力は高く、シード校を脅かす破壊力を秘める。

 ベスト8の弥栄新羽柏木学園の勝者と対戦。エース・河野翔英、捕手・大國雅也のバッテリーは安定感十分。また上位にミート力が高い打者を揃え、一気に畳み掛ける打力も見逃せない。

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武富 陸(向上)

 そして第3シードの日大藤沢ブロックにはずらりと強豪が揃っている。まず日大藤沢の戦力を紹介すると、最速142キロ左腕・武富 陸は変化球の精度も非常に高く、実力は県内屈指。大型左腕・姫木 陸斗、強肩巧打の捕手・牧原 巧汰とタレント揃い。それ以外にも守備力、打撃力を兼ね備えた選手を揃えており、夏も上位を狙える戦力だろう。

 同ブロックには、横浜隼人が登場する。大型左腕・佐藤一磨は最速143キロのストレートに加え、スライダーを器用に投げ分け、フィールディング、クイックもそつなく実戦的な一面を見せる。

 また佐藤以外の投手陣の力量も高く、厳しい神奈川を戦えるコマは揃った。ただ課題は打撃。潜在能力が高い選手は多いだけに、どれだけ公式戦で能力を発揮できるか。小技、機動力を含めた得点力を高められるか。また、強打者・宮原 悠貴を中心に高い破壊力を誇る打線がウリな藤嶺藤沢、投手力が高い市立橘の一戦は注目だ。

[page_break:桐光学園、向上の両ブロックの見所 桐蔭学園の課題は?]

桐光学園、向上の両ブロックの見所 桐蔭学園の課題は?

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安達 壮汰(桐光学園)

 初戦で小田原平塚江南の勝者と対戦する春準優勝の桐光学園は投、打、走、守の4項目でトップクラスの力量を誇る。投手陣では本格派右腕・谷村然、135キロ前後の直球、キレのあるスライダーで勝負する冨田冬馬、投げては140キロ、打っては広角ヘ長打連発の安達 壮汰の3人が中心。

 また、野手兼任の投手の成長も鍵をにぎる。打線では強打の2番・桐光学園桐光学園鈴木智也、バットコントロールが優れた馬込 悠、超俊足の巧打の遊撃手・楠本龍聖など走力、肩力を兼ね備えた野手を多く揃える。夏へ向けて、しっかりと仕上げてくるチームだが、7年ぶりの甲子園出場を果たすには、爆発的なパフォーマンスを見せる選手が1人、2人でも出てきてほしい。

 また、粘り強い試合運びでシードを獲得した麻溝台は、上位打線を中心に一気に畳み掛け、継投策で逃げ切る。夏へ向けて攻守でレベルアップを果たしたい。春8強の向上多摩生田東の勝者と対戦。

 向上向上赤城 昂太郎岡崎 大輝の二遊間コンビ、さらに左の巧打者・国崎 澪と打力が高い選手が並び、さらに守備力の高さは県内屈指。投手陣では春の県大会で力投を続けた松村青に続く投手の台頭を期待したい。

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森敬斗(桐蔭学園)

 その向上と同ブロックなのがセンバツ出場の桐蔭学園だ。春季県大会では向上に敗れた。プロ注目の遊撃手・森 敬斗、技巧派左腕・伊禮 海斗など能力が高い選手を揃えているものの、春までの戦いを見ると、細かな部分で甘さを残す。地方大会で上位に勝ち進んでいるチームと比較すると、組織力、試合運びで課題を抱えているので、夏へ向けてチームとして成熟しているか。向上と戦うには4回戦まで勝ち進まなければならない。リベンジなるか。

 好遊撃手・濱田蓮、技巧派右腕・須田 悠斗を中心に守り勝つ野球が信条の立花学園県立商工神奈川大附の勝者と対戦。試合前のアップを見ても他のチームにはないアップの仕方をしていて、とてもユニークなカラーを持ったチーム。夏では旋風を巻き起こしたい。同ブロックでは、好左腕・佐藤 考輔擁する横浜創学館が登場。初戦では浅野と対戦する。

 トーナメントの右側の展望については、10日12時に公開予定です!

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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