巨人期待の若手・堀岡 隼人の中学時代。恩師が語る「努力家の一面」
2016年のドラフト会議で、育成7位で読売ジャイアンツに入団した堀岡隼人投手。青森山田時代は2年秋、東北大会に優勝を経験、3年センバツでは敗戦投手となったものの、1失点の好投を見せた。
3年目のシーズンとなる今年、堀岡投手はファーム交流戦で公式戦初登板を果たし、2回を投げて無安打無失点の好投。最速も151キロを記録し、支配下登録に向けて猛アピールを続けている。
そんな堀岡投手が中学時代を過ごしたのは、リトルシニアの強豪である秦野リトルシニアだ。支配下登録に向けてアピールを続ける堀岡投手に、恩師である秦野リトルシニアの牧嶋和昭監督は力強いエールを送る。
今回は、牧嶋監督に秦野リトルシニア時代の堀岡投手について語っていただくと、中学時代は現在のような剛速球、高校時代のような投手として高いセンスを発揮したわけではなかった。それでも高校での活躍や、現在の急成長ぶりも頷ける、堀岡投手の努力家ぶりを紹介していこう。
休みの日にも練習を行っていた努力家
青森山田時代の堀岡隼人投手
青森山田のエースとして、2年秋、公式戦10試合を投げ、防御率1.97の好成績を上げ、3年生の春にチームを11年ぶり2回目の選抜[stadium]甲子園[/stadium]出場に導いた堀岡隼人投手。名門・青森山田のエースだから、中学時代から好投手として活躍していたように思うかもしれない。
秦野リトルシニアの牧嶋監督は、堀岡投手の中学時代の立ち位置を次のように振り返る。
「今はもう151キロを投げるようですが、中学校時代はどちらかと言うと野手の印象でした。バッティングは良かったのですが、投手としては制球が悪く、なかなか試合が作れない投手でした。球も速く、投手をやりたい希望もありましたが、エースではなくてサードやショートが多かったですね」
いずれは投手として活躍したい。その思いが強かった堀岡投手は練習量の多さにおいてはチーム内でもトップクラスであったと牧嶋監督は話す。秦野リトルシニアは、平日は火曜日と木曜日が練習日であるが、堀岡投手は練習が休みの日であっても、ランニングやトレーニングは欠かさず行っていた。
「厚木のトレーニング施設まで行って、親御様も含めて頑張っていました。また、夏休みになれば時間もあるので、走り込みも自主的にやってました。そういった姿勢が、青森山田に行って花が開いた要因だと思います」
思い返してみれば、堀岡投手はドラフト指名を受けた際も、順位は育成7位と育成選手の中でも下位であり、12球団全体でも最後から2番目の順位であった。
それでも、最速151キロを記録する若手の有望株として注目を浴び始めたのは、秦野リトルシニア時代から続く、努力の賜物なのだろう。
今年1月の成人式の後にはグランドへ挨拶に訪れる
秦野リトルシニアの牧嶋和昭監督
そんな堀岡投手も、今年の1月に成人式を迎えた。秦野市出身である堀岡投手は、秦野市文化会館で行われた式に参加し、終了後には牧嶋監督の下へ挨拶に訪れた。
「秦野市の成人式は、毎年秦野市文化会館で行われています。秦野市文化会館は、秦野リトルシニアが練習を行う[stadium]コベルコグランド[/stadium]の真横にあり、成人式の後にはOBがグランドに挨拶に来てくれて、今年は堀岡も挨拶に来てくれました」
昨年までは、肘の手術の影響で公式戦の登板さえ叶わなかった堀岡投手だが、牧嶋監督に挨拶へ訪れた際に、堀岡投手は今年の抱負を力強く語ったという。
「今年は、2軍の試合で[stadium]東京ドーム[/stadium]のマウンドに登ることを目標にすると言っていました。2軍の試合で[stadium]東京ドーム[/stadium]の試合があるのかなと思いましたが、怪我明けなのでオーバーワークにならないようにして欲しいですね」
そんな牧嶋監督には、大きな楽しみがある。
牧嶋監督の息子である牧嶋隼風さんと牧嶋聖哉さんは、現在千曲川硬式野球クラブで野球を続けているが、6月に読売ジャイアンツの3軍との交流戦が予定されており、堀岡投手との対決が実現するかもしれないのだ。
「堀岡が投げるかは分かりませんが、ジャイアンツ球場で行われるそうなので見に行こうと思います」
堀岡投手が選抜[stadium]甲子園[/stadium]に出場した際は、秦野リトルシニアも全国選抜野球大会に出場中だったため、結果を見ることしかできなかった。今度こそ、その雄姿をしっかりと目に焼き付けることが出来るかもしれない。
(取材・文=栗崎祐太朗)