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センバツ甲子園を制した東邦を中心に享栄、至学館、中京大中京、豊川などが追う

2019.04.10

 13日から開幕する2019年 春季愛知県大会。平成最後の甲子園となった第91回選抜高校野球大会を制した東邦が出場する。甲子園の疲れもあろうが、やはり総合力は高く、優勝候補の筆頭となることは間違いない。その東邦を名古屋市予選を1位通過した享栄、2位の至学館が追う。それと、昨秋の東海大会ベスト4の中京大中京、三河の雄・豊川と愛産大三河。さらには、昨秋の3位決定戦で激闘を演じた中部大春日丘西尾東も気になるところだ。

Dブロックは東邦と西尾東、Cブロックは豊川と中京大中京の対決が濃厚

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大黒柱の石川昂弥君を中心に選抜甲子園で優勝を飾った東邦

 東邦のいるDブロックは昨秋のベスト4、昨夏の東愛知大会準優勝の西尾東が勝ち上がれば3回戦で東邦とまみえることになりそう。松井涼太君、石川昂弥君、熊田任洋君らの東邦の強力打線を、西尾東山田紘太郎君がどのように対戦していくのかも興味深い。西尾東は春の西三河予選も2位で通過。安定した力はある。その勝者と知多地区1位の大府か東三河3位の桜丘が対戦することになりそうだ。

 それを準決勝で待ち受けるCブロックは、豊川中京大中京の勝者とみるのが順当だ。東三河地区1位で、安定した力を示してきた豊川は2年生の米庄寛成君が成長してきており、菊間悠斗君、疋田好人君とコマも投手陣の豊富だ。

 中京大中京は、昨秋は東海大会ベスト4まで進出しながら津田学園に大敗して悔しい思いも経験した。球速のある高橋宏斗君と左の板倉駆君が2本柱。センスのいい2年生印出太一君の打撃にも磨きがかかって期待がかかる。立ちはだかりたいのは愛知か。は、尾張地区2位校で、一発のある澤野聖悠君や吉田卓矢君らの打線は強力だ。

 このブロックでは1回戦で豊田大谷と当る小牧南安藤大斗君が135キロ以上の速球で、やや荒れ球気味ではあるが面白い存在だ。勝ち上がれば、2回戦で当たる豊川もやや手こずりそうだ。また、岡崎工に刈谷と、昨年この大会で中京大中京に大勝して注目された西春も侮れない存在だろう。

[page_break:Aブロックでは愛知啓成と至学館、Bブロックでは愛産大三河が有力]

Aブロックでは愛知啓成と至学館、Bブロックでは愛産大三河が有力

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名古屋地区予選で活躍を見せた冨田君(至学館)

 反対ゾーンは、Aブロックが尾張1位の愛知啓成と名古屋地区2位の至学館、知多地区2位の半田がシードとなっている。力としてはトリッキーな野球の至学館がややリードか。愛知啓成三重で準優勝に導いたベテラン中村好夫監督が就任。新しい風を吹かせているようだ。その愛知啓成に2回戦でぶつかりそうな愛知黎明もかつて弥富時代に甲子園に導き、長崎日大大瀬良大地(広島)らを育てた実績のある金城孝夫監督が復帰。その采配も注目される。初戦の統合を下せばベテラン同士の新監督対決が実現する。その勝者に挑むことになりそうなのが栄徳だ。

 至学館には昨夏の西愛知代表校愛工大名電が挑むことになりそう。半田刈谷北と名市工芸の勝者と当るが、悲願の8強進出には至学館愛工大名電の壁がある。

 Bブロックには昨夏の東愛知代表で、新チームは2度敗れた西尾東に今春の西三河地区二次トーナメント決勝で雪辱して1位でシードとなった愛産大三河がいる。愛産大三河は昨夏の甲子園も経験しU-18の代表候補にも名を連ねる上田希由斗君の打撃が注目される。日本福祉大附と星城の勝者と当るが、いずれも曲者だ。日本福祉大附では捕手で4番の小林天優君、星城ではエースの石黒佑弥君が注目されるが、日本福祉大附の山本常夫監督、星城の平林宏監督の両ベテランの采配も注目だ。また、安城知多翔洋の対戦も地域公立校同士で興味深い。昨秋の3位校中部大春日丘も侮れない存在だろう。

 名古屋市1位の享栄と東三河2位の豊橋中央が3回戦で当たりそうだが、豊橋中央には愛産大工と東浦の勝者が挑む。このところ安定した力を示し始めている東浦、今季のチームは中嶋勇喜監督も例年以上の手ごたえを感じているというだけに楽しみだ。

 いずれにしても、東邦が全国制覇を果たしたことで、「球国愛知のプライド」を示し面目を保った愛知県である。平成最後の戦いを経て、令和になって県の初王者が決定する大会は、例年以上に注目されそうだ。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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