Column

『全国制覇』へ 影でチームを支えサポートしたい! 星稜マネージャー

2019.02.03

 昨年の明治神宮大会で準優勝、1月25日には選抜甲子園出場が決まり、多方面から注目を浴びている星稜高校。49名の部員を支えるマネージャーはたった1人。石川の強豪・星稜高校野球部を日々支えるマネージャーの活動や思いに迫る!

選手とコミュニケーションを取っているときが楽しい!


星稜高校野球部49人を支える浜塚光希くん

 星稜高校野球部49人を支えるマネージャーは2年生の浜塚光希くんただ1人。普段の活動はお客様への飲み物をお出しすることや、清掃、練習の準備をする事だ。

 試合や練習で出す声の大きさは、他の高校のマネージャーには絶対に負けない点だと話してくれた。

 マネージャー活動の中で1番楽しい時間は、練習や試合で選手とコミュニケーションをとる時だ。知らなかったことを知ることができるからコミュニケーションをとるのが楽しいと話してくれた。特に選手から「ありがとう」と言われた時にはやりがいを感じる。

 日々、選手がどんなことをすれば喜ぶかを必死に考えて日々サポートに徹している浜塚くん。泥だらけになってもボールを追う選手の姿に胸を打たれ、キュンとするとこともあるとか。

 選手とのコミュニケーションを大切にしているところや、選手のことを第一に考え周囲をよく見てサポートに日々専念する浜塚くんは、マネージャーの鑑だと言えると感じた。

 マネージャーあるあるは何ですかと聞くと、試合中の選手交代が複雑で分からなくなることだという。高校野球では複数選手の入れ替えがよくあるが、相手チームのことだと余計にわからなくなる気持ちはよく分かる。

 マネージャーのおすすめグッズはシャーペンとボールペンが一つになっているペンだ。「わざわざ何本もペンを取り出すことなく1本ですべてできるところがとても便利です」と話してくれた。複雑な選手交代の時にもペンが一本にまとまっていればスムーズに交代を記入することができるということなのだろう。

 特に思い出に残っている試合はと尋ねると、夏の石川大会決勝の金沢学院戦。竹谷選手と南保選手の7本のホームラン(南保3本、竹谷4本)が出た試合だという。初めて1試合に7本のホームランを見たことがとても印象的だったと語る。

 昨夏の大会の中では、やはり[stadium]甲子園球場[/stadium]での済美戦が最も記憶に残っていると話してくれた。自分では勝ったと思っていたが、最後に逆転満塁サヨナラホームランを打たれ、「やっぱり野球は何があるか分からないと感じた瞬間だった」と語る。

 引退した選手の先輩方は気楽に相談にのってくれてすごく尊敬できる存在だった。

 とくに小布施マネージャーは皆には辛い姿を全く見せず、選手をサポートしていたりしてすごく頼れる存在だと語ってくれた。そんな浜塚くんは小布施マネージャーを越えることを目指している。

[page_break: 選手からマネージャーへの転向、影でチームを支える存在に]

選手からマネージャーへの転向、影でチームを支える存在に


星稜高校野球部の選手たち

 昨秋からマネージャーを努める浜塚くん。中学時代から野球を続け、セカンドでプレーしていた彼がマネージャーになろうと思ったきっかけは、サポートしたいと思う選手がいたことと、チームの役に立ちたかったからだ。 

 マネージャーという活動を通じて、自分よりも周りをしっかり気にかけるようになり、自分自身が変わったと話してくれた。もし、マネージャーをしていなかったら、「周りを見る事ができず目標なく過ごしていただろう」と話す。 

 マネージャーとしての活動をはじめてから、初めて選手から「ありがとう」と言われた時のことはとても印象に残っているそうだ。監督・選手、仲間に言われて心に残っている事はやはり「ありがとう」と声をかけられる瞬間だ。 

 マネージャーになって「選手のサポートが出来ていないと感じた瞬間挫折しそうになったけれど、マネージャーは影でチームを支える存在であり、そんな風に自分もなりたい」と語ってくれた。 

 そんな浜塚くんのことを、キャプテンの山瀬 慎之助選手は「明るく笑顔で接してくれるので、チームの雰囲気を良くしてくれる存在だ」と話し、慣れない活動に取り組む浜塚くんに感謝の気持ちを示してくれた。

 日々練習に励むチームメイトへは、「辛い練習もあると思うけどチーム全員で乗り越えて、目標である『全国制覇』をしよう!!」と熱いメッセージを送ってくれた。 

 今春選抜で最も注目度の高いチームでもある星稜だが、その選手だけでなく、ベンチから自慢の大声で選手たちを鼓舞する浜塚くんにも注目したい。

 

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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