Column

東京を制した65名の選手たちを支える力強い存在 国士舘マネージャー

2019.01.30

 昨秋、東海大菅生関東一といった強豪校を倒し、東京都大会で10年ぶり6度目の優勝を決め、春のセンバツ出場を手にした国士舘。更なる期待が高まる国士舘を支えるマネージャーにお話を伺った。

選手としてもマネージャーとしてもチームに貢献


監督からの指示を伝える久保田マネージャー

 現在在籍する65名の部員を支えるマネージャーは、久保田 裕喜くん(2年)だ。
 また、選手兼マネージャーの小髙 歩くん(2年)、松室 直樹くん(2年)、横山 弥夢くん(2年)、三田 哲也くん(1年)、篠原 航太くん(1年)の計6名である。

 マネージャーは、ウォーミングアップでの指揮、道具の管理、洗い物やスコアラー、お茶出し、試合データをパソコンに集計するなど幅広く仕事を行っている。パソコンのスコアの集計では、間違えると1からすべてやり直すこともあるのだという。選手兼マネージャーは、プレーをしながら、これらの作業をこなしている。

 国士舘の男子マネージャー達にとって、一番楽しい時間は、「相手チームの監督との会話」だという。「色々な話をしてもらえます」という彼ら。果たしてどんな裏話をしているのか気になるところである。久保田くんは、「自主練習を手伝った選手が試合で活躍していると嬉しいです」と語る。

 後輩たちにとって「お兄ちゃんの様な存在」だった3年生たちは、夏の西東京大会準決勝で敗れ引退を迎えた。7月26日に明治神宮球場で行われた日大鶴ケ丘戦である。この試合はマネージャー達にとても特に記憶に残る試合だったようだ。
 4対1で日大鶴ヶ丘にリードを許しながら迎えた5回表、国士舘は主将の嶋崎 優介の本塁打を皮切りに4点を追加し、逆転に成功する。しかし、その後日大鶴ヶ丘に3点を追加された国士舘は惜しくも敗れてしまった。彼らから見て「嶋崎キャプテンは今まで(見た中で)1番努力していた」選手だったという。
 努力の成果が大事な場面で現れ、チームに貢献した先輩の姿から学ぶことがたくさんあったのだろう。

 3年生が引退し迎えた秋季東京都大会。エースの石井 崚太をはじめ、メンバーがごっそり入れ替わった国士舘。新チームには絶対的なエースや軸になる打者がいるわけではなかった。「スタートした時は、国士舘史上最低のチームでした」と、感慨深げに語った永田監督。しかし、秋季東京都大会では、3回戦で関東一に5対1で勝利、見事決勝戦に進んだ国士舘。11月4日明治神宮球場で行われた決勝の相手は、全国レベルで戦える戦力が整った東海大菅生国士舘はこの試合を4対3の接戦で制し、明治神宮大会への出場を決めたのであった。試合ごとにヒーローが変わり、チーム力を高めていった。総合力での勝利だったのであろう。マネージャーとして選手を支えた彼らにとっても、印象深い試合だった。

[page_break:マネージャー転身し自信に更なる成長]

マネージャー転身し自信に更なる成長


カウントをとる久保田マネージャー

 春夏の活躍が期待される選手達に向け、
「目標に向かって頑張ってください!」と語ってくれた彼ら。

 国士舘のマネージャーの1人、久保田 裕喜くん(2年)はケガがきっかけで選手からマネージャーになった。しかし、「自分が選手からマネージャーになった時、みんなが暖かく迎えてくれました」と振り返り、今ではチームに欠かせない存在になっている。

 今では、マネージャーの活動を通して「コミュニケーション能力がアップしました。」と話すなど、自分自身にもプラスの変化があったようだ。「マネージャーをしていなかったら、気配りが出来ないダメ男になっていたかも」とも。

 マネージャーの活動の中で、挫折しそうになることもあるというが、初めて記録員としてベンチ入りした春季大会で都立雪谷二松学舎大附東海大菅生などの強豪を下し、見事関東大会に出場したことは自分のマネージャー活動の中でも、1番印象に残るエピソードだと語った。

 最後に久保田くんは「マネージャーはチームに必要とされる存在。自分も必要とされるマネージャーになりたい。」と話した。

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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