判断力を上げるのにオススメの食材!
前回は、「身長を伸ばすために必要な栄養素」について説明をしました。今回は、「判断力を上げるのにオススメの食材!」を解説していきます。野球は非常に判断する場面が多いスポーツです。天候やグラウンド状況が目まぐるしく変わっていく中でたくさんお判断を瞬時に求められます。その時に事前に何を口にしてコンディションを整えておくかは重要ですよね。今回は、大事な決断をする前に摂取しておくと良い食材などを解説していきます。
アスリートに必要なものとは
野菜にはビタミンなどの栄養が豊富に含まれている
みなさんは、は昨日のお昼ご飯で、何を食べましたか?覚えている人はどれぐらいいるでしょうか。すぐに思い出せない人は、なんとなく食べているのかもしれません。しかし昨日食べた食事は、今日のみなさんの「身体の材料」になっているのです。
私は現在、数多くのアスリートやチームを栄養面からサポートしています。2016年から選手に帯同して食事のサポートをしたり、一緒に練習しながら選手の体調を肌で感じてきました。そのなかで、自分に合った食事を見つけたことで、大きく飛躍した選手を何人も育て、その中でたくさんの気づきを得ることができました。
アスリートは自分の身体を非常に大切にしています。選手たち(トップアスリート)は試合が常に調子の良い状態で迎えられるわけではないことを知っているからです。試合とは、自分以外の誰かが日程を決めます。だからこそ、試合に自分を合わせてコンディションを整え、状態を上げていくことが大切なのです。
最近はメンタルトレーニングが人気で高校野球の現場でも多く取り入れていることがありますよね。でも、それだけでは十分ではありません。脳の神経細胞や神経伝達物質を作る材料が足りなければ、思ったようにはいきません。
では、脳が正しく働くためには、どのような栄養素を取ればよいのでしょうか。
イライラするのはカルシウムが足りない?
よくこういう言葉を耳にしますね。これは、決して根拠のない話ではありません。神経伝達のメカニズムから考えると、実に理にかなっています。
伝達を正常に行うために、神経伝達や神経細胞の働きを促進しているのが、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB群です。カルシウムやマグネシウムが不足すると、システムが不安定になって情報がきちんと伝わら神経というのは、身体各部が受けた刺激を脳や脊髄に伝える、また、脳や脊髄の信号を末梢に送る、タンパク質でできた神経線維の束のことです。シナプスという、情報を出力する側の細胞と入力する側の細胞との間にすき間がある構造になっているため、情報の受け渡しを「神経伝達物質」が担います。このなくなるので、体にいろいろな不具合が出てきます。
高校野球の試合でよく足をつる場面を見たことがあると思います。みなさんも1回は見たことがあると思います。むしろ経験した人もいるのではないでしょうか。
これらは長時間、目や足といった身体の特定の場所を使い続けたために、その部分のカルシウムやマグネシウムが減って、神経伝達システムが誤作動を起こした結果です。足をつったりする1つの原因と言えます。自分では筋肉を痙攣させたり、収縮させたりする命令など出していないのに、筋肉のほうは勝手にそういう信号を受け取ってしまっている。こうなると自分の意思ではどうにもなりませんよね。つまり、カルシウムやマグネシウムが不足すると、思いどおりに、頭や身体を動かすことができないのです。
判断が鈍るのも、カルシウムやミネラルといった神経伝達に必須のミネラルが不足している可能性が高いといえます。ミネラル不足になる原因は、主に次の3つです。
1つ目、ストレス過多。試合のプレッシャーや人間関係など、アスリートは朝起きてから夜寝るまで、絶えずプレッシャーにさらされています。そして、人はストレスを受けると、体内のミネラルが急激に消費されます。
2つ目は、ファストフード。これらに含まれている白い砂糖や油脂は、カルシウムの大敵。しかも、そういった加工食品にはミネラルがほとんど入っていませんから、失われた分を補給しないかぎり、減ったミネラルはそのままになってしまいます。
3つ目は、日本の土壌。ミネラルが存在するのは水と土の中だけなので、人は通常、野菜などを食べて、それらを間接的に体に取り入れます。ところが、日本の土壌はほとんど火山灰なので、もともとミネラルの含有量が少ないのです。
[page_break:大事な決断の前は、アーモンドとバナナ!]大事な決断の前は、アーモンドとバナナ!
差し入れの王道、バナナ
ミネラルが減りやすく、摂取しにくいという環境は変えようと思っても限界があります。どうすればよいか。そこで、食べ物です。
神経伝達に欠かせないのはカルシウムやマグネシウム、ビタミンB群ですから、それらを多く含む食品を食べればよいのです。
まずは、大豆製品、海藻、ジャコ、桜エビ、アーモンドを、意識して多めにとる。
乾物・乾燥類としては、切り干し大根やヒジキの煮物、切り昆布の煮物といった総菜がおすすめです。コンビニでも買うことができます。また、豆類としては、サラダビーンズをサラダはもちろん、スープや炒め物に追加するのもよいでしょう。
小腹がすくと条件反射的コンビニのおにぎり等を食べていた人は、それをバナナや雑穀米のおにぎり(手作り)に替える。果汁100%のオレンジジュースにする。これを習慣にすれば、試合中の判断ミスの回数は必ず減っていきます。
練習や試合でストレスがたまっているという自覚があるなら、試合前にカルシウムやマグネシウム(ミネラル)のサプリメントを飲んで補うのも1つの手段です。
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文=久保 翔平 (カラダツクル株式会社代表取締役)