試合レポート

下関国際vs木更津総合

2018.08.17

下関国際のエース・鶴田が1失点の好投! 3試合連続の完投勝利で木更津総合を破り、チームを8強へ導く!

下関国際vs木更津総合 | 高校野球ドットコム

 第100回全国高校野球選手権大会の13日目。第3試合は初戦で延長戦を制し、2回戦は9回に逆転勝利と終盤に強さを見せる下関国際(山口)と、チーム打率は3割を超え、投手陣は1失点と投打に高いレベルを誇る木更津総合(東千葉)が対戦した。

 木更津総合の先発はこれまでリリーフでマウンドに上がっていた根本 太一(2年)。2回表は先頭の下関国際木村 大輝(2年)にデッドボールを与えると、西山 勇輝(3年)の送りバントを三塁手がファーストへ悪送球してしまい無死一三塁のピンチ。ここで8番・品川 優人(3年)は一塁ゴロに打ち取るが、その間に三塁走者が生還(一塁手が弾いて、記録は失策)。さらに、佐本 快(2年)のファーストゴロで走者を進められると、1番・浜松 晴天(3年)には甘く入ったスライダーを捉えられ、レフトへのタイムリーでこの回2点を失った。

 下関国際の先発は2試合を完投しているエースの鶴田 克樹(3年)。1回裏は神子 瑞己(3年)の左安打と死球で一死一二塁とされるが、4番・野尻 幸輝(3年)をアウトコースのツーシームでショートゴロに打ち取り併殺。2回裏は3者凡退。3回裏も大曽根 哲平(3年)をアウトコースのスライダーで空振り三振、根本 太一(2年)は143キロのストレートで見逃し三振を奪ったが、1番の東 智弥(3年)には高めに浮いたストレートをレフトスタンドへ運ばれ、1点差に詰め寄られた。

 4回以降は両チームともスコアボードに0が続く。木更津総合の根本は4回、5回を3人ずつで片付けると6回表は川上 顕寛(3年)のヒットと四球で二死一二塁とされるが、7番・西山はインローの変化球で空振り三振に仕留め得点を与えない。下関国際の鶴田は4回裏、山中 稜真(3年)と野尻の連打にエラーが絡み無死二三塁とされるが、5番・神山 竜之介(3年)は144キロのインローのストレートで見逃し三振。後続の太田 翔梧(2年)はスライダーでショートゴロ、田中 斗暉也(3年)もやはりスライダーでピッチャーゴロに打ち取るなど、毎回、走者を背負うもののタイムリーを許さなかった。

 試合が動いたのは8回表。この回から登板した2番手の篠木 健太郎(1年)に対し、下関国際は先頭の甲山 達也(3年)が四球で出塁すると、意表を突いて二盗に成功。送りバントで三塁に進むと、4番・鶴田が前進守備の二塁手の右を鋭く抜けるタイムリーを放って3対1。9回表には右前打で出塁した品川をバントで送り、浜松の右中間適時二塁打でホームへ迎え入れてダメ押しするなど、下関国際が4対1で木更津総合を破り、初のベスト8へ進出した。

 下関国際はエース・鶴田が再三、ピンチを迎えながらも右打者にはアウトコースのスライダー。左打者にはツーシームとヒザ元のストレートを決め球に決定打を許さず、3試合連続となる完投勝利を挙げた。バックの守備陣も素晴らしい動きで鶴田を支え、8回裏には遊撃手の甲山が三遊間の緩い当たりを軽快なジャンピングスローでアウトにすると、二死満塁の場面では二塁手の浜松が高いバウンドのゴロに対し勇気を持って前に出て、難しいハーフバウンドをさばいた。また、7回裏にも一死二塁からのファーストファウルフライで次の塁を狙った走者を三塁寸前でタッチアウト。一塁手の佐本は後退しながらのキャッチで体勢が悪かったが、すぐに二塁手へボールを投げると、中継に入った浜松が三塁へ好送球。すべての野手がタッチアップを想定してきっちりと準備をしていたからこそ素早い連携でピンチを未然に防ぐことができたナイスプレーだった。

 木更津総合は先頭打者を5回も出塁させたが、アウトコースや低めのボールを強引に引っ張って凡打するシーンも目に付き、つながりに欠いた。ただ、先発の根本は序盤こそ制球にやや苦しんだが、中盤以降は140キロ中盤のストレートとキレのあるスライダーで好投。この根本はまだ2年生。救援の篠木も1年生ということもあり来季以降へ、この敗戦を活かしてほしい。

 甲子園初勝利から8強まで駆け上がった下関国際。準々決勝では大会14日目の第3試合で日大三(西東京)と龍谷大平安(京都)の勝者と対戦することが決まっている。

(記事=大平 明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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