Column

東福岡レギュラー座談会「サッカー・ラグビーに負けず、記念すべき年に野球部も存在感を示したい!」

2018.05.27

 今年の福岡県は南北に分かれて大会が行われる。南福岡の強豪校として注目されるのが、東福岡である。今回は大西龍聖主将、エース・金光雄紀選手に話を聞き、新チームからこれまでの歩みを振り返ってもらった。

【座談会参加メンバー】

大西龍聖
金光雄紀

持ち味の強打をしっかりと発揮できた秋

東福岡レギュラー座談会「サッカー・ラグビーに負けず、記念すべき年に野球部も存在感を示したい!」 | 高校野球ドットコム
東福岡野球部

 ―― まずお2人の第一印象を教えてください。

大西 龍聖(以下、大西): 僕は愛媛からきたんですけど、金光は入学前から知っていて、実際に見てもすごい選手だと感じました。

金光 雄紀(以下、金光): でも僕は硬式に全然なじむことができなかったですし、自分の思い通りのピッチングができませんでした。大西は打撃も本当に良くて、すごいと感じています。

 ―― 1年生のときの印象に残っている試合はどの試合ですか。

大西: 1年生大会の筑陽学園戦です。1対1のまま延長戦になりまして、最後はタイブレークで2対4で負けたんですけど、競った試合ができたことはチームにとって自信になったと思います。

金光: 僕もその試合です。9回まで1失点でしたし、自分のピッチングもつかんだ試合でもありました。

 ―― そして今年は打撃が良いチームとしてスタートしました。

大西: 1番から8番まで長打が打てる選手がそろっていますし、勝負強さがあります。2年生の4番福田悠人は走者がいるときほど打ちますし、捕手の村上は2番を打っているのですが、ホームランも打てて、足も速くて頼もしい存在です。

金光: 投げていて今年のチームは打てる選手が多いので、本当に頼もしいです。バッテリーを組んでいる村上 喬一朗はよく声を出していて、ピンチの場面でもマウンドによって励ましてくれるので、助かっています。

 ―― その中でも打撃センスがあると感じるのは?

金光: もちろんキャプテンの大西です!

大西: いや自分はそれほどでもないですし…。とにかくつなぎ役に徹するだけです。

 ―― 下野監督は大西君の勝負強さを高く評価していました。

大西: そうですね。監督さんも「信頼している」といってくださって、期待に応えないといけないなと思っています。

 ―― 普段の打撃練習から心がけていることは何でしょうか。

大西: 打撃のチームとして見られていますが、打撃練習の割合がそれほど多いわけではないです。少ない練習の時間で1球を無駄にしない。足りないところは自主練習でやります。

 ―― 県大会を振り返ると、140キロを超える速球投手に対しても打ち崩している試合もありますが、速球投手にたいしてはどんな準備をしているのでしょうか?

金光: 迷わず積極的に打つことを心掛けています。

大西: 打席前の準備が一番大切だと思います。投手が出てきたら、ベンチの中でも、投手に合わせてタイミングを取ったり、しっかりと準備をしてから打席に向かいます。打席の中では、球種を絞って打つことを徹底しています。自分が決めた球はしっかりと振ることを意識しています。

 ―― 昨秋の県大会準々決勝の九州国際大附戦を振り返ると、センター木村壱聖君、ファインプレーがかなり多かったですね。

金光: かなり助けられました。まず試合序盤に相手の3番打者がバックスクリーン近くまで飛ばしたのですが、正直「あっ、抜けた」と思いました。だけど、木村は打球に追いついて捕球してくれて、あの時の歓声はすごかったです。さらにセンター前の打球をスライディングキャッチもしてくれて、これもすごかったですし、木村に助けられた試合でした。

大西: 確かに本当に凄いプレーばかりでした。

 ―― 木村選手は守備以外ですとどうなんでしょうか。

大西: 足は速いですし、打撃も当たり始めたらすごい選手です。普段の木村はのんびりしている感じなんですが、試合になると一変。集中力も高いですし、僕たちもびっくりするようなプレーを見せてくれます。

 ―― 昨秋の県大会では準決勝敗退。課題となったのはなんでしょうか。

金光: 低めへの制球力です。

大西: 守備面ですね。大会通して守備でのミスが多かったと感じています。

[page_break:サッカー部、ラグビー部に負けない活躍を見せたい]

サッカー部、ラグビー部に負けない活躍を見せたい

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左からエース・金光雄紀と主将・大西龍聖(東福岡)

 ―― やはりオフ期間の課題は「守備」だったのでしょうか。

大西: そうですね。今までですと、守備でミスをしても、打撃で取り返せばいいという考えでした。でも夏は1点を争う攻防が多くなってくると思いますし、そこまで点も取れないと思って守備面を強化しています。今は捕る、投げるといった基本動作を大事に日々のノックをこなしています。

 ―― そして東福岡は、ラグビー、サッカーの両クラブが全国トップクラスの強豪として有名ですが、両部活との交流はあるのですか?

金光: クラスメートにもいますし、仲は良いです。

大西: 実際にクラスの中には日本代表の選手もいたりするので、すごいと感じるのですが、でも彼らとは仲は良くて、たわいもない話をしていつも楽しんでいます。

 ――サッカー部とラグビー部は野球部にどんな影響を与えましたか?

大西: マインド面が大きなところだと思います。仲は良いですが、彼らの応援にいくと、自分たちももっと頑張らないといけないという気持ちになります。
 こうやって日々練習をしているのは、もちろん甲子園に行きたいから頑張るというのはあるんですけど、サッカー部、ラグビー部に負けていられない気持ちもモチベーションとなっています。

金光: そうですね。よく両部活からの練習を参考にメニューを取り入れた?と聞かれるんですけど、実はあまりなくて。大西と同じく、他の部活の頑張りに影響されていると思います。

 ―― また東福岡野球部は村田修一選手をはじめとした数多くの先輩が大学以上の世界で活躍していますが、その一人でもある下野監督は高校時代、選抜で史上初となる3試合連続本塁打を放った選手です。

大西: 本当に凄いです!残した成績もすごいんですけど、映像を見ると大舞台で平然とプレーできている。こうやって僕たちも取材いただいていますが、いったんカメラで抜かれると、なかなかしゃべることができない。
 動画でしゃべってといわれると、何度も詰まってしまう。監督さんはカメラに囲まれた中で取材されたと話していましたし、人に見られる中でもしっかりとした立ち居振る舞いとプレーをしないといけないと感じています。

金光: 先生のアドバイスはいつも的確ですし、自分もエースとして自覚をもって、練習試合後にはどんどん話を聞いて、いろいろ学んでいます。

 ―― では最後に今年にかける意気込みをお願いします。

大西:今年は、南福岡を勝ち抜いて甲子園に行き、そして全国制覇を目指します!

金光:僕も同じく、全国制覇を目指し、さらに全国ナンバーワンピッチャーを目指します!

 100回記念の夏にエース・金光、主将・大西率いる東福岡が、南福岡で旋風を巻き起こすのを楽しみにしたい。

(文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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