健大高崎vs大手前高松
健大高崎、四国版機動破壊に「本家メソッド」伝授!
5回表健大高崎一死三塁からの二ゴロで生還する4番・高山 遼太郎(2年・左翼手)
2016年2月、香川県高野連からの要請を快諾し、県高野連指導者研修会で「機動破壊メソッド」を包み隠さず伝授した青栁 博文監督をはじめとする健大高崎(群馬)指導者陣。あれから1年9カ月。今度は健大高崎は指導者陣ばかりでなく、秋季関東大会ベスト8の選手たちと共に[stadium]四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀[/stadium]へとやってきた。2010年から毎年春季四国大会後に県大会ベスト4を対象に開催されており、今年は清宮 幸太郎(北海道日本ハムドラフト1位)が率いる早稲田実がやってきたことでも大きな話題を呼んだ「香川県高等学校野球連盟招待試合」初秋季開催の招待校となったからである。
そんな彼らの初戦は、四国版機動破壊というべき「奪進塁」を掲げる大手前高松。「大手前高松さんと交流させて頂く中で香川県との縁ができたので、秋季四国大会に出たこともすごく嬉しかった」(青栁監督)恩返しの想いは、雨天のために当初開始の9時半から3時間遅れとなった試合で存分に発揮された。
まずは4回表二死から2番・小林 大介(二塁手・2年・右投左打)以下の5連打で4点を先制すると、6つ対1での5回表には無死二・三塁から5番・大柿 廉太郎(2年主将・捕手・右投右打)のスクイズと、二ゴロでのインパクトゴーという健大高崎らしい2得点。最終的には大手前高松の6投手から13安打4盗塁で10点を奪った。
加えてこの試合では本家「機動破壊」のメソッドも随所に散りばめられていた。大胆なリードや、捕手のタッチを寸前で交わすフックスライディング。そして内外野守備のポジショニングや、ポジショニングに対して投げ切れる投手陣の制球力は「まず守れないといけないことを教えられた」と大手前高松・山下 裕監督も感心の言葉を漏らすほどだった。
その大手前高松は盗塁3回を仕掛けたものの、すべて刺されけん制死も1回。最後は強攻しかない状況に追い込まれて、得点は4回裏二死二塁から1番・山本 大輔(2年主将・一塁手・右投左打)が放った右前適時打のみ。秋季四国大会で奮闘したエースの中村 公俊(2年)は大会疲労が抜けずベンチ外。その他にポジション等の入れ替えはあったとはいえ、完全に健大高崎の引き立て役に回ってしまった格好である。
とはいえ、これも対戦しなければ体得できないこと。初の甲子園出場へ「あと一歩」が必要な彼らにとって、健大高崎との初対戦は、間違いなく今後の示唆を受ける出来事だった。
(レポート=寺下 友徳)
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