6年前のアジア制覇に貢献した4割打者・近藤健介(北海道日本ハムファイターズ)
今年、けがの影響で規定打席には到達しなかった日本ハムファイターズの近藤 健介。しかしその打率は167打数69安打でなんと.413。1936年以降の日本プロ野球界で4割を記録した選手はおらず、初の「4割打者」となるか注目を集めた。そんな近藤の高校時代やU-18日本代表での活躍を振り返っていく。
6年前のアジア制覇に貢献した4割打者・近藤健介
U-18当時の近藤健介
名門・横浜で捕手としてチームを牽引した近藤 健介。身長173センチと小柄ながら高校通算本塁打は35本。1年生から試合に出場し、当時の主将だった筒香 嘉智(横浜―横浜DeNAベイスターズ)と共に夏を戦い、1年生ながら打率は4割越えを記録していた。その後捕手に転向し3年春、夏と2度甲子園に出場。当時の横浜にいた横浜DeNAベイスターズの乙坂 智、1学年下には柳 裕也(明治大―中日ドラゴンズ)らを率い全国の舞台を経験した。
近藤はその後、2011年アジアAAA野球選手権の日本代表に選出される。当時の日本代表には原 樹理(東洋大姫路―東洋大―東京ヤクルトスワローズ)、野田 昇吾(鹿児島実業―西濃運輸―西武ライオンズ)、横尾 俊建(日大三―慶應義塾―日本ハムファイターズ)、高橋 周平(東海大甲府―中日ドラゴンズ)らが集まった。
この大会で近藤は評価を急上昇させる。強肩の捕手として評判だった近藤はここでも強肩を披露。スローイングタイムは1.9秒、そしてベース上に送球できるコントロールを兼ね備えていた。予選リーグの台湾戦では巧みな配球を見せ、リードで勝利に貢献。かつて横浜の頭脳と呼ばれた小倉清一郎さんが認める野球脳の高さとインサイドワークの巧みさを発揮。大会を通じて相手の弱点を察知、分析し、押しの強いリードで投手陣を引っ張り、決勝の韓国戦に完封勝利。3大会ぶりの優勝をもたらした。
その後、近藤は日本ハムファイターズにドラフト4位で指名を受け、プロへ進む。捕手としてプロの世界に進んだが、ファイターズでは外野やサード、などを守る機会が多くなった。1年目から1軍の舞台に立ち、1年目には20試合、2年目には32試合と着実に出場試合数を伸ばし、2014年には89試合に出場。この年にはU21ワールドカップにも選出される。
2015年には129試合に出場し435打数142安打、本塁打8、打率.326、出塁率.405というキャリアハイの成績を残した。2017年は怪我の影響で規定打席には届かなかったが、57試合に出場し打率.413。プロ野球史上初の4割打者なるかと注目を集め強烈なインパクトを残した。
今年の活躍もあって、16日から開幕しているアジアチャンピオンシップに選出。韓国戦では3番DHで先発出場し、先制点を生む内野安打を含む4打数3安打の活躍を見せた。
プロ6年目のシーズンを終えようとしている近藤。今大会でも安打を積み重ね来シーズンの飛躍につなげていく。
(文・編集部)
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