大会ナンバーワン左腕・山下輝(木更津総合)が登場!3日目4試合の見どころを徹底解説!
山下輝(木更津総合)
第99回全国高等学校野球選手権大会3日目。この日は今大会を代表する投手が数多く登場。4試合ともに接戦が期待できそうだ。そんな3日目の見どころを紹介したい。
木更津総合vs日本航空石川
日本航空石川は準決勝の星稜相手に逆転勝ちしたように4本塁打を放った長打力が脅威。何を起こすか、分からない。そんな怖さが日本航空石川の魅力である。打線の中心を担うのが4番上田優弥だ。185センチ97キロと恵まれた体格を誇り、石川大会でも場外弾、星稜戦ではサヨナラ安打を打つなど、勝負強さを見せてきた。
対する木更津総合・山下輝は強力な日本航空石川打線を封じる投球術が求められる。
木更津総合打線は日本航空石川のエース・佐渡裕次郎をどう攻略するのか。140キロ超えストレートと切れ味鋭いスライダーをコンビネーションにする投手で、佐渡のペースに持ち込ませず、機動力を織り交ぜながら着実に加点する野球ができれば理想だ。
開星vs花咲徳栄
開星は大会6本塁打を放った強力打線が最大のウリ、3番葉田翔人は準決勝で3ランを打ったように、打率.423、2本塁打、11打点、3盗塁、無失策と走攻守で活躍を収めた。葉田を軸にどれだけ打線が機能するのか、カギとなる。
そして投手陣では2年生エース・中村優真は開きが遅く、しなやかな腕の振りからキレのあるストレートが光る好左腕。制球力にも長け、花咲徳栄打線を苦しめる投球はできそうだ。
花咲徳栄は、綱脇慧、清水達也の2枚看板の投球がポイント。打線は3番西川愛也、4番野村佑希、5番須永光のクリーンナップの前にどれだけ走者をためることができるか。埼玉大会では14盗塁と機動力も仕掛けられる。両チームとも総合力は高いだけにハイレベルな攻防、駆け引きが序盤から期待できそうだ。
聖光学院vsおかやま山陽
聖光学院はチーム打率.387と高打率を残したように、どこからでもつながる打線が魅力。接戦を勝ち抜く試合運び、勝負強さは健在だ。投げては甲子園経験者の斎藤郁也、秋の背番号「1」で制球力の高さがウリの堀田陸斗、春から急成長の平野サビィ、前田秀紀の登板も十分あり得そうだ。
高い投手力で勝負したい聖光学院にとって、初出場のおかやま山陽は難敵だ。チーム打率.386と高打率。3番森下浩弥、4番井元将弥、投手では小松章浩、大江海成と140キロを超える投手を2人揃え、総合力では聖光学院に見劣りしない。おかやま山陽の勢いが上回れば、大接戦が期待できるかもしれない。
早稲田佐賀vs聖心ウルスラ
初出場の早稲田佐賀は、エース・森田直哉、安在悠哉の両左腕がチームを支える。打線では小部純平がキーマン。佐賀大会では打率6割、6打点、1本塁打と好成績を残した。着実に点を加点して試合の主導権を握りたい。2010年に創立された早稲田大の系属校。念願の初勝利を目指す。
聖心ウルスラは、最速143キロ右腕・戸郷 翔征の投球がカギ。37イニングで45奪三振と高い奪三振率を誇る。打線は、2本塁打の増田哲志、ロングティーで112メートルを飛ばし、長打力に定評のある請関 史也の2人が軸となる。投打ともにパワフルなチームで序盤から圧倒していきたい。
(文・構成:河嶋 宗一)