試合レポート

関西創価vs大阪学院大高

2017.07.22

関西創価が好左腕の投げ合いを制す

 大阪学院大高中島 直人(3年)と関西創価村上 大貴(3年)。試合は好左腕同士の投げ合いとなった。

 先制したのは関西創価。3回、先頭の時信 敦(3年)が出塁し、中村 健一(3年)が送りバントを決めて得点圏に走者を進める。二死後、3番の松永 レオ(2年)がライト前に弾き返し1点を先制した。

 テンポとコントロールに優れる村上は、初回に二死から大阪学院大高の3番・市村 翔洋(3年)に二塁打を浴びるが、4番・原田 恭(3年)の鋭い打球はセカンドライナー。最初のピンチを凌ぐと、チェンジアップの抜けが抜群だった。

 2回の先頭打者をチェンジアップを続けて三振に打ち取り、味方の失策と送りバントで背負った二死二塁もチェンジアップを決め球に空振り三振で切り抜ける。その後も大阪学院大高打線を手玉に取り、三塁を踏ませない。

 大阪学院大高の先発左腕・中島 直も力のあるストレートを武器に好投を続け、3回に関西創価が先制した後は互いに無得点。

 7回、1点を追う大阪学院大高は二死から8番・川畑 憲正(2年)がセンター前に弾き返す。初回に市村が二塁打を放って以来、6イニング、実に23人ぶりにHランプを灯すと、好投を続けていた中島 直の打球は三遊間を破りレフト前に抜ける。打順はトップに返り、打席には1番の岩本 喬介(3年)が入る。

 繋がれれば、同点、逆転もあり得た場面で、それでも関西創価バッテリーは冷静だった。1ボール1ストライクからストレートが右打者のインコースに決まって、ウイニングショットへの準備が完了。猛威を振るっていたチェンジアップがここぞの場面でも低めに決まり、インコースのストレートの残像が残る岩本のバットは空を切った。このピンチを凌ぐと捕手の山形 智哉(3年)は思わずガッツポーズ。

 一山越えた関西創価は8回、1番から始まった好打順の攻撃で一死一、二塁のチャンスを作ると4番・大城 明徳(2年)の打球が三遊間の真ん中を抜け、レフト前へ。待望の適時打で2点目を挙げると、この後山形も適時打を放ち加点。この回、当たり損ないが2本、内野安打になるツキもあり、リードを3点に広げた。

 8回を3安打無失点、好投の続く村上は9回も簡単に二死を奪う。このまますんなり終わるかと思われたが、大阪学院大高のキャプテン・香西 陸(3年)が代打で登場すると、三遊間へのゴロが相手の失策を誘い出塁する。すると9番・中島 直に対し村上はストライクが入らない。4球で歩かせてしまい、走者がたまる。一発が出れば同点の場面は作ったが、最後は村上が踏ん張り逃げ切りに成功。エースの完封で関西創価が3回戦を突破した。

(文=小中 翔太

関西創価vs大阪学院大高 | 高校野球ドットコム
注目記事
第99回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】秋田修英と秋田工が8強入り、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?