試合レポート

明徳義塾vs高知商

2017.07.17

明徳義塾「エースの一撃」で高知商に初戦勝利

 

 点差以上に5季連続甲子園出場と夏の高知大会8連覇を目指す明徳義塾にとっては厳しい初戦となった。高知追手前の延長11回激戦を制した名門・高知商に対し、2回裏一死二・三塁から7番・筒井 一平(3年・捕手・170センチ70キロ・右投右打・伊予市立伊予中出身)の左越二塁打で先制したまではよかったが、3回表に先発の最速139キロ左腕・北本 佑斗(3年・170センチ70キロ・左投左打・大阪泉北ボーイズ<大阪>出身)が二死二塁から高知商3番・近澤 孝祐(2年・左翼手・168センチ64キロ・右投左打・高知市立愛宕中出身)に左翼線に落とされる適時二塁打を喫すると、終始制球に苦しみ8回表無死で降板。

 明徳義塾野球部のスピードガンでは最速135キロで奪三振6とストレートの威力は明らかに増した反面、121球・被安打10・四死球5で4失点の内容は、高知商打線が5回表一死一・三塁から2番・黒岩 真光(3年・三塁手・右投左打・高知市立西部中出身)が初球を中前に運んだ適時打に代表されるようにコンパクトなスイングを貫いていたことを差し引いても到底納得できるものではない。

 ただ、明徳義塾は収穫もあった。5回裏には一死一・二塁から北本が右翼ポール際に豪快な大会第1号3ラン。「もう一度身体を作り直す」と内村 英二郎コーチが春先に語っていた成果を「エースの一撃」で見せれば、大会1か月前の負傷・直前復帰に伴い通常の遊撃手から三塁手に配置替えとなった5番・今井 涼介(3年・171センチ67キロ・右投右打・大阪八尾ボーイズ<大阪>出身)に代わり、公式戦初出場にして「1番・遊撃手」に大抜擢された菰渕 太陽(2年・172センチ65キロ・遊撃手・右投左打・高松レイダース<ヤングリーグ>出身)は1失策もあったが、打撃では5打数3安打1打点。救援の市川 悠太(2年・183センチ70キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)も押し出し四球含む2個の四球を出したが2回を無安打と一定の成果を残した。

 次戦は7月22日(土)10時から[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]で行われる高知南との準々決勝。残り3試合も見据えつつ、彼らがいかに高い意識で修正をかけられるか。最後に改めて記すが、明徳義塾の目指す場所は甲子園に出ることではなく「甲子園でいくつ勝てるか」である。

(レポート=寺下 友徳

明徳義塾vs高知商 | 高校野球ドットコム 全国各地の大会結果や試合レポートはここでチェック!
夏の大会特集ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.21

いまも3人が現役で奮闘中! 200勝達成したダルビッシュの同期生

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?