明徳義塾vs高知商
明徳義塾「エースの一撃」で高知商に初戦勝利
点差以上に5季連続甲子園出場と夏の高知大会8連覇を目指す明徳義塾にとっては厳しい初戦となった。高知追手前の延長11回激戦を制した名門・高知商に対し、2回裏一死二・三塁から7番・筒井 一平(3年・捕手・170センチ70キロ・右投右打・伊予市立伊予中出身)の左越二塁打で先制したまではよかったが、3回表に先発の最速139キロ左腕・北本 佑斗(3年・170センチ70キロ・左投左打・大阪泉北ボーイズ<大阪>出身)が二死二塁から高知商3番・近澤 孝祐(2年・左翼手・168センチ64キロ・右投左打・高知市立愛宕中出身)に左翼線に落とされる適時二塁打を喫すると、終始制球に苦しみ8回表無死で降板。
明徳義塾野球部のスピードガンでは最速135キロで奪三振6とストレートの威力は明らかに増した反面、121球・被安打10・四死球5で4失点の内容は、高知商打線が5回表一死一・三塁から2番・黒岩 真光(3年・三塁手・右投左打・高知市立西部中出身)が初球を中前に運んだ適時打に代表されるようにコンパクトなスイングを貫いていたことを差し引いても到底納得できるものではない。
ただ、明徳義塾は収穫もあった。5回裏には一死一・二塁から北本が右翼ポール際に豪快な大会第1号3ラン。「もう一度身体を作り直す」と内村 英二郎コーチが春先に語っていた成果を「エースの一撃」で見せれば、大会1か月前の負傷・直前復帰に伴い通常の遊撃手から三塁手に配置替えとなった5番・今井 涼介(3年・171センチ67キロ・右投右打・大阪八尾ボーイズ<大阪>出身)に代わり、公式戦初出場にして「1番・遊撃手」に大抜擢された菰渕 太陽(2年・172センチ65キロ・遊撃手・右投左打・高松レイダース<ヤングリーグ>出身)は1失策もあったが、打撃では5打数3安打1打点。救援の市川 悠太(2年・183センチ70キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)も押し出し四球含む2個の四球を出したが2回を無安打と一定の成果を残した。
次戦は7月22日(土)10時から[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]で行われる高知南との準々決勝。残り3試合も見据えつつ、彼らがいかに高い意識で修正をかけられるか。最後に改めて記すが、明徳義塾の目指す場所は甲子園に出ることではなく「甲子園でいくつ勝てるか」である。
(レポート=寺下 友徳)
全国各地の大会結果や試合レポートはここでチェック!
・夏の大会特集ページ