試合レポート

日大豊山vs都立城東

2017.04.06

日大豊山、好継投と長打攻勢で都立城東を下す

日大豊山vs都立城東 | 高校野球ドットコム

先発・坂井柚介(日大豊山)

 昨夏の東東京大会では4強の都立城東と8強の日大豊山の試合。秋は都立城東が都大会の16強になり、この大会はシード校であるのに対し、日大豊山は1次予選からの出場になる。

 日大豊山坂井柚介都立城東皆川友汰と、ともに背番号1の左腕投手が先発して試合が始まったが、両投手も、立ち上がりは良くなかった。

 都立城東は1回表、四球の1番・田中純平を2番・河合和也が送り、3番・田中颯人が一失で出塁し、一死一、三塁のチャンスを作る。ここで4番・茂木郁己の右飛を、日大豊山の右翼手・田中駿輔が好捕。犠飛にはなったものの、傷を最小限に食い止めた。

 「ライトへの打球を好捕されるなど、流れに乗れませんでした。難しい試合になると感じました」と、都立城東の池上茂監督は言う。

 その予感通り、その裏日大豊山は、2番・青木尚大、3番・西村達貴の連続三塁打で同点に追いつき、4番・宮原達也のレフトオーバーの二塁打で、あっさり逆転した。

 しかし都立城東も3回表に3者連続四球で一死満塁とし、6番・佐藤良祐の中前安打で2人が還り逆転する。続く両角亮の左前安打でなおも満塁のチャンスが続いたが、追加点は挙げられなかった。

 すると4回裏に日大豊山は6番・高橋晴太郎、7番・齋藤響の連続二塁打で同点に追いつく。この回、投手の坂井に代打を出したことで、5回表からは、日大豊山中学出身の右腕・高原俊太が登板。高原は球威があり、都立城東に得点を許さず、日大豊山に流れを持ってくる。


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先発・皆川友汰(都立城東)

 5回裏は二死後、3番の西村が左中間に長打。50メートル6.0秒の俊足で、ベースランニングがうまい西村達貴は、迷わず三塁を陥れた。初回に続くこの試合2本目の三塁打だ。

 「打った瞬間に三塁に行くことは決めていました。後ろに頼れるバッターがいるので、チャンスで回したかったです」と西村は言う。西村は小学校の4年生から中学3年生までアメリカで育った。日本の高校野球をやるために帰国し、1年生の夏から試合に出ている。日本スタイルの練習にも慣れ、まだ2年生ながら、チームの中心的な存在だ。

 西村の三塁打の後、4番・宮原の遊ゴロを遊撃手がエラーし、日大豊山が勝ち越した。序盤の流れからいって、勝負はまだこれからという感じであったが、日大豊山の高原だけでなく、6回裏から登板した都立城東の2番手・田畑裕希も好投し、追加点を許さない。

 6回以降は両チームともに得点が入らず、9回表には、日大豊山の抑えとして登板した真木雄太郎が3者凡退に抑えて、4対3で日大豊山がシード校の都立城東を破り、3回戦に進出した。

 日大豊山はこの春、ベテランの上野満監督から若い福島直也監督にバトンが受け継がれた。次戦に向けては、「まず自分がしっかりしないと。それからエラーもあったし、守りからリズムを作って行きたい」と、福島監督は語る。

 一方敗れた都立城東の池上監督は、「抑え込まれたわけではありませんが、勝ち切れませんでした。チャンスで力んでしまいました」と語る。昨夏も投げた小林甲汰は、肘の故障のため今大会は登板しなかったが、夏は間に合う見込みだ。小林が復帰すれば、投手陣が安定し、攻守に厚みが出てくるに違いない。

(取材・写真=大島裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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