加藤拓也、山岡泰輔、佐々木千隼のドラフト1位トリオが球児へアドバイス!
加藤拓也、山岡泰輔、佐々木千隼のドラフト1位トリオが球児へアドバイス!

加藤拓也(慶応大)
ドラフト1位指名選手は、多くのプレイヤーにとって憧れ。今回は広島東洋カープ1位の加藤 拓也投手、千葉ロッテマリーンズドラフト1位の佐々木 千隼投手、オリックスバファローズ1位の山岡 泰輔投手に球児へアドバイスをいただいた。
■広島1位の加藤拓也投手から球児へメッセージ!
最速153キロのストレートと縦横の変化球を武器に東京六大学通算22勝。さらにラストシーズンとなったこの秋には、ノーヒットノーランも達成している。加藤投手は、相手投手に負けないために、自分の個性を出すためのトレーニングを重ねてきた。そんな加藤選手のアドバイスもまた具体性のあるメッセージだった。
変わろうとしなければ現状は打破できない。
「まず、上達するために自分が変化することを恐れないでほしいですね。現状を打破するには、それがフォームであってもメンタルであっても、変わらなければならないので。ただし、安易に変わろうとするのはNGです。変わる時は、それなりの根拠を持つ必要があるでしょう。また、変化した結果、失敗することもあります。それでも、変わらなければ、それが失敗だったとはわからない。たとえ失敗であっても、一歩、前に進んだのだと思ってください。
今はスマホがあって、ちょっと検索すれば野球に関する情報が入ってきますし、技術的な答えも見つかります。僕もスマホをいじることはありますが、″こうすべき″というのは、あくまでも発信者の考えであって、自分の″現在地″にはマッチしないことが多い。そもそも自分に合った技術的な答えは、そう簡単に見つかりません。高校野球は約2年4か月程度と限られていますが、焦って答えを見つけようとはせず、地道により良い方向を見出して行ってください」
加藤投手のフォームは野球を見ている人からすれば、とても個性的で荒削りなフォームである。しかしそれでも活躍できるのは、周りに流されず、決してぶれない姿勢にあるといえる。良い意味で我の強さを持った選手。現役引退した黒田 博樹に似たマインドを持った投手ともいえる。

山岡泰輔(東京ガス)
■オリックス1位の山岡泰輔投手から球児へメッセージ!
次に山岡 泰輔投手である。高校時代にU-18代表を経験。それから入社3年間、ずっと国際大会を経験してきた山岡投手のアドバイスもとてもタメになるものであった。
「まずは自分に合った練習法を見つけること。いろんな練習を見て、聞いて、実際に試してみて、自分の引き出しを増やしていくことが大事だと思います。ピッチャーは人それぞれで投げ方が違うし、感覚も異なるポジションなので、これをやれば絶対に上手くなるという訳ではありませんから。また、調子が悪くなったときに、貯めておいた引き出しから、その時に適した練習法を見つけることもできると思うので、普段から自分に合った練習を探すように心掛けておくのが良いんじゃないかと思います」
そして、もう一つアドバイスをいただいた。
「野球をする時は楽しくやってほしいですね。やっぱり楽しくないと頑張れないし、上手くならないと思いますから。もちろん走ったりとか苦しい練習はありますが、その苦しさも試合に勝つために必要な事なので。その一瞬は苦しいですけれど、自分は『楽しくないことはない』と思ってやっていました(笑)。みなさんにも同じように、苦しい練習も楽しく励んでもらいたいです」
やはり高校生投手となると、指導者任せではなく、自分の考えでベストな練習法、投げ方を見つけながら、自分の引き出しを増やすことが大事だといえる。
■ロッテ1位の佐々木千隼投手から球児へメッセージ!
最後に都立出身の球児で史上初のドラフト1位となった佐々木 千隼投手。都立日野時代、どんな意識でやっていたのかを伺うと、都立日野で培った練習に対する取り組みが飛躍につながったといえる。

佐々木千隼(桜美林)
「自分の課題に向き合って取り組む」
都立日野高校は自主性を重視していて、バッティングの班、トレーニングの班などローテーションしながら行う日常的なメニューの中に「課題」の班というのがありました。
1時間ごととか、45分ごととか、日によって長さは異なるんですが、自分になにが足りないか、今なにをすべきかを考えて、なにをやってもいい時間で僕はピッチングをしたり、ノックを受けたり、体が細かったので弁当を食べたりもしていました。それでいいのと思われるかもしれませんが、嶋田監督も僕の体の細さを気にかけてくれていたので、どんどん食べろと言ってくれていました。高校のときは与えられたメニューが多くなると思いますが、僕は「課題」の時間のおかげで自分を見つめることや、自分で考える習慣が身につきましたし、それは大学に入ってからも生きていると実感しています。
いかがだっただろうか。ドラフト1位になる選手はやはり取り組み、感性がしっかりとしている選手が多い。3人のアドバイスがぜひ多くの球児に参考になることを期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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