Column

U-18決勝の相手・台湾の学生野球の現状は?小・中・高と日本と全く違うシステム?!

2016.09.04

 本日、第11回 BFA U-18アジア選手権決勝戦で日本が対戦する相手・台湾!その台湾の気になる学生野球の現状とは?今回は、台湾の現地記者・雷明正さんに台湾野球の詳しいお話を伺いました。

みっちり野球漬けの日々を送る台湾の学生たち

U-18決勝の相手・台湾の学生野球の現状は?小・中・高と日本と全く違うシステム?! | 高校野球ドットコム

U-18台湾代表

 日本の場合は、小学校の時は地元のチームに入って野球をしますが、台湾の場合は小学校を選ぶ際にどのスポーツをやるかを決めます。例えばA小学校なら野球だけ、B小学校ならサッカーだけ、C小学校ならバスケットボールだけなど小学校が一つのチームになります。日本は土日だけ練習をしているチームも多いですが、台湾の場合は小学生のうちから寮に住み、毎日練習するという環境で野球をしている選手も多いのです

 寮での生活はチームの監督が面倒をみます。ただ、小学校とは言ってはいますがそれは名前だけであって実際は監督のチームであり、その監督に育ててもらうわけですから子供たちにとって監督は神のような存在にあたりますね。小学校を経て中学校、高校とずっと野球を続けていきます。

 相当な練習量をこなしているので、台湾の学童野球はとても強いです。しかし大人になると台湾野球はなぜ強くなれないのか?それは、色々な考え方がありますが、1つに練習時間が長すぎるという面があります。その練習時間に対しての練習の質が伴っていないチームも少なくありません。10時間の練習するとしたら、練習内容としては5時間で終わるものをその内容を10時間もかけて練習を行っているところもあります。そういった練習を繰り返していれば、プロや大学へ進む人たちは強くなれないと思いますね。

 また、台湾は韓国と同様でエリートシステムです。そのため、エリートとして育てられてきているため競争意識があまりありません。私はエリートだ、私は強いなどの意識があるため競争意識がなかなか生まれません。そういった台湾人の中には、日本の高校野球に進学する人もいます。日本へ留学した台湾の選手たちが一番つらいのは勉強だそうです。台湾では、文武両道という文化ではなく、野球を一生懸命やっていればよいのですが、日本の高校野球は、勉強もしなくてはいけない。そういった日本の高校野球を見ると、これからの台湾野球が強くなっていくにはただただ練習するだけではなく、国語や数学などの学校の勉強もしっかりと取り組むことが、野球の上達にもつながっていくと私は思います。

 

 日本との制度とは全く違う台湾の学生野球の現状は非常に興味深いものでした。本日の第11回 BFA U-18アジア選手権決勝戦での台湾戦も楽しみです!

 

U-18決勝の相手・台湾の学生野球の現状は?小・中・高と日本と全く違うシステム?! | 高校野球ドットコム
注目記事
・第11回 BFA U-18アジア選手権

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.04

【春季愛知県大会】注目の師弟対決の決勝、享栄が中京大中京を下して8年ぶり8回目の優勝

2024.05.04

1500人近くの中学生が肩肘検診を一斉に受ける!ポニーのお祭り行事・ポニーフェスタは今年も大盛況!

2024.05.04

【四国】香川県勢同士による春の四国頂上決戦は高松商に軍配!尽誠学園の再挑戦退け43年ぶりの春四国王者に!

2024.05.04

【新潟】東京学館新潟、糸魚川がコールド勝ちでベスト16入り<春季県大会>

2024.05.04

【神奈川春季大会】東海大相模・藤田琉生が涙の1失点完投!昨秋準決勝で敗れた横浜相手にバットでもリベンジ果たす!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.29

【春季埼玉県大会】今年の西武台はバランス型!投手陣の完封リレーで初戦突破!

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.29

東海大相模の149キロ右腕・福田拓翔が6回10奪三振の快投!「甲子園で150キロを投げたい」とセンバツV・健大高崎の石垣をライバルに!

2024.04.29

【石川】金沢、遊学館がコールド勝ちでベスト16入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>