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甲子園最高チーム打率はなんと.448!強打を誇った歴代最強打線は?

2016.08.21

 本日14時から試合開始となる夏の甲子園決勝戦。初の優勝を目指す北海と54年ぶりの2回目の優勝を狙う作新学院となった。北海のここまでの打率は、3割1分6厘。作新学院の打率は、2割8分4厘。打力的には北海がリードに思われるが、作新学院のエース今井達也をどれだけ打ち崩せるか。また、北海のエース大西健斗もそう簡単には攻略できない。見応え十分の決勝戦となった。

 さて、歴代の甲子園優勝校を振り返ると、やはり打って勝ち上がった学校が多い。そこで今回は、甲子園でのチーム打率上位のチームを振り返っていきたい。

1位 .448という驚異の打線で優勝を果たした駒大苫小牧

駒大苫小牧のユニフォーム

 第1位は2004年駒大苫小牧。なんと、チーム打率.448!個人ではなく、チーム全体でそれだけ打てば、相手校からすれば、たまったものではない。
2回戦から登場した駒大苫小牧は、いきなり佐世保実業相手に15安打を浴びせ、7対3で快勝。そして3回戦では強打の日大三と対戦し、11安打放って、7対6で競り合いを制する。

 準々決勝ではプロ注目の涌井 秀章(現・千葉ロッテマリーンズ)擁する横浜と対戦し、18安打で6対1と快勝。残塁13は反省点だが、林 裕也がサイクル安打を達成するなど、記録ずくめの1日になった。
さらに準決勝では東海大甲府と壮絶な打撃戦を制し、10対8で決勝進出。

 決勝戦では選抜優勝の済美と対戦。この試合でも打撃戦に。13対10で済美を破り、北海道勢として初の甲子園優勝を決めた。全試合で2桁安打と攻撃面では全く隙がなかった駒大苫小牧。また忘れてはならないのは5試合で失策はわずかに「1」だったこと。攻撃、守備すべてにおいてハイレベルなチームだった。

駒大苫小牧の戦い
2回戦:佐世保実業戦 7-3 33打数15安打
3回戦:日大三戦 7-6 29打数11安打
準々決勝:横浜戦 6-1 40打数18安打
準決勝:東海大甲府戦 10-8 34打数14安打
決勝:済美戦 13-10 38打数20安打
43得点 174打数78安打 チーム打率.448

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[page_break:第2位!自らの記録を塗り替えて堂々の優勝を果たした日大三]

第2位!自らの記録を塗り替えて堂々の優勝を果たした日大三

 第2位は2001年日大三である。残したチーム打率は.427。2000年には智辯和歌山が圧倒的な強打を見せ、6試合で100安打、11本塁打、157塁打、打率4割1分3厘と次々と大会記録を塗り替えて優勝を決めた。しかし、そのチーム打率を1年後に越えるチームが出てくるとは全く想像ができなかった。

 いきなり1回戦の樟南戦で42打数21安打、11得点を入れる猛攻。4番原島 正光明治大–日立製作所)が3ラン本塁打を放つなど主軸から一打が生まれた試合であった。
2回戦の花咲徳栄戦でも11対4で快勝。原島が本塁打を打つなど、またしても大当たり。

日大三のユニフォーム

 さらに3回戦の日本航空戦では、原島、内田 和也(元西武ライオンズ)、都築 克幸(元中日ドラゴンズ)の本塁打が飛び出し、7対1で快勝。28打数9安打、残塁はわずかに4と効率よく点を取った試合であった。

 準々決勝の明豊戦では、内田に大会2本目の本塁打が飛び出し、17安打9得点で快勝し、4強入りを決める。
準決勝では横浜と対戦。7対6で破り、決勝進出。この試合、都築の大会2本目の本塁打が飛び出すなど、どこからでも本塁打が出る日大三打線は脅威であることを示した。

 そして決勝の近江戦では、7回まで2対1と近江投手陣を打ちあぐねていたが、7回裏に2点、8回裏に1点を入れて5対2で近江を下し、初優勝を決めた。6試合で計90安打、50得点、7本塁打と圧巻の打撃成績であった。

日大三の戦い
1回戦:樟南戦 11-7 42打数21安打
2回戦:花咲徳栄戦 11-4 34打数17安打
3回戦:日本航空戦 7-1 28打数9安打
準々決勝:明豊戦 9-2 36打数17安打
準決勝:横浜戦 7-6 38打数16安打
決勝:近江戦 5-2 33打数10安打
50得点 211打数90安打 チーム打率.427

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[page_break:第3位!99安打、65得点と圧倒的な打撃で優勝を決めた大阪桐蔭]

第3位!99安打、65得点と圧倒的な打撃で優勝を決めた大阪桐蔭

大阪桐蔭のユニフォーム

 伝統的に強力打線が武器の大阪桐蔭2008年は圧倒的な打撃力で勝ち上がり、平成に入って2度目の優勝を決める。この時のチーム打率.419は歴代3位である。

 1回戦の日田林工戦では19安打16得点の猛攻で初戦突破を決めると、2回戦の石川金沢戦では浅村 栄斗(現・埼玉西武ライオンズ関連記事)の2本塁打で6対5で勝利。
3回戦の東邦戦では13安打7得点。7対5で東邦を破り、ベスト8進出を決める。

 準々決勝の報徳学園戦では2本の本塁打が飛び出るなど、7対4で快勝。3試合続け、2桁安打を放ち、圧倒的な打力で勝ち上がる。準決勝では名門・横浜との対決になり、プロ入りした土屋 健二投手(元・横浜DeNAベイスターズ)を打ち崩し、9対4で快勝。この試合でも14安打と勢いは止まらない。

 決勝戦でも勢いそのままに、毎回の21安打17得点の猛攻で、17対0で完封勝ち。ナインは喜びを爆発させた。大阪桐蔭が残した57打点は歴代1位で、99安打は2000年の智辯和歌山にあと1本に迫る記録である。

大阪桐蔭の戦い
1回戦:日田林工戦 16-2 42打数19安打
2回戦:石川金沢戦 6-5 41打数16安打
3回戦:東邦戦 7-5 36打数13安打
準々決勝:報徳学園戦 7-4 36打数16安打
準決勝:横浜戦 9-4 37打数14安打
決勝:常葉菊川戦 17-0 44打数21安打
62得点 236打数99安打 チーム打率.419


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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