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最速152キロがMAXの今夏の甲子園!歴代最速の男は一体誰だ!?

2016.08.17

 数々の好投手を生んでいる甲子園だが、投手の評価基準の一つとして、球速が重要視されている。2012年の夏の岩手県予選では花巻東大谷 翔平投手関連記事が160キロを計測し、大谷投手の名は瞬く間に日本中に知れ渡った。今年、150キロ台を計測した投手は、今井達也投手(作新学院)の151キロと、髙田萌生投手(創志学園)の最速152キロである。そこで今回は、過去に甲子園を球速で沸かせてきた投手に迫っていきたい。

【1位 155キロ】 
佐藤 由規 (仙台育英):2007年夏
安楽 智大 (済美):2013年夏

【2位 154キロ】 
寺原 隼人 (日南学園):2001年夏
菊池 雄星 (花巻東):2009年夏
今宮 健太 (明豊):2009年夏

【3位 153キロ】 
北方 悠誠 (唐津商):2011年夏
釜田 佳直 (石川金沢):2011年夏
藤浪 晋太郎 (大阪桐蔭):2012年春

甲子園最速を計測した佐藤と安樂

佐藤 由規(当時:179cm 75kg)

 2007年夏の甲子園智辯学園戦にて155キロを計測した佐藤 由規仙台育英)。現在は東京ヤクルトスワローズに所属しているが、怪我の影響で、2012年以降昨シーズンまで1軍登板は無くなっていた。そんな佐藤だが今シーズンについに一軍復活を果たし、勝利を挙げた。

 当時の佐藤は甲子園最速となる155キロを計測した。さらに、プロ入り後も球速を着実に上げていき、2010年の[stadium]神宮球場[/stadium]での横浜戦で日本人最速161キロを計測している。余談ではあるが、この年、メジャーでは1年目のチャップマンが103.9マイル(約167.3キロ)を計測し、日米において160キロがホットな話題となった年であった。

 甲子園当時に話を戻すと、佐藤がいる仙台育英は残念ながら2回戦敗退となるが、最速155キロのストレートに加え、140キロ台のスライダーも武器とした投球を打ち崩すことは高校生にとっては容易なことではなかったはずだ。

安樂 智大(当時:188cm 87kg) ※関連記事

高校時代の安樂 智大

 佐藤 由規と共に、歴代トップタイとして155キロを計測したのが、13年夏の甲子園での安樂 智大済美)である。この記録のどこが一番すごいかといえば、当時の安樂はまだ2年生であったということ。2年生ながら、エースとして済美を牽引し、最速155キロを計測した。

 また、当時の安樂は愛媛大会にて157キロを計測するなど、プロ注目の選手として高校野球界に名を轟かせていた。3年時は怪我に苦しみ、甲子園出場とはならなかったものの、東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位入団。今シーズンはこれまでに8試合に登板しているが白星をあげることができていない。しかし、ストレートは高校時代同様に力強く、今後の活躍が楽しみである。

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[page_break:甲子園最速サウスポー・菊池 雄星]

甲子園最速サウスポー・菊池 雄星

菊池 雄星(当時:184cm 82kg) ※関連記事

菊池 雄星(埼玉西武ライオンズ)

 2009年夏の甲子園で歴代2位となる154キロを計測したのが、菊池 雄星花巻東)であった。甲子園で154キロ以上を計測した選手は合計5人いるが、唯一の左腕であり、恵まれた体格から繰り出される速球は、高校レベルでは打ち返すのが非常に難しい。当時は怪我をした上でのマウンドとなり、時折腰を気にする場面も見られたが、ストレートとスライダー、ツーシームを織り交ぜた投球を見せ、本格派左腕として、プロ注目の逸材であった。

 卒業後は、ドラフト1位で埼玉西武ライオンズに入団。プロ入り後は、怪我や不調に苦しみ、思うような結果を残せていなかったが、今シーズンは開幕投手を務めるなど成長を感じさせる。

今宮 健太(当時:171cm 70kg) ※関連記事

 菊池 雄星と同じ2009年夏に背番号6を背負い、マウンドに上がった今宮 健太明豊)も154キロを計測していた。本職は遊撃手ではあったが、要所でマウンドに上がり、力投を見せる。特にこの年の甲子園は、菊池 雄星を始めとして、堂林 翔太島袋 洋奨庄司 隼人秋山 拓巳など、数々の有力選手が出場していた。その中で、様々な名勝負を繰り広げる今宮 健太には、大きな注目が集まった。

 154キロを計測したのは、準々決勝の花巻東戦。171cm、70kgという、歴代球速ランキングに名を連ねる選手達に比べると、決して体格には恵まれているわけではないが、気持ちで投げきった154キロであった。現在は、福岡ソフトバンクホークスの遊撃手として活躍しており、154キロを計測したその肩を遺憾なく発揮し、2年連続ゴールデングラブ賞に輝くなど、守備範囲の広い選手として知られる。

 このほかにも、154キロを計測した選手としては、現在、福岡ソフトバンクホークスにて活躍する寺原 隼人選手がいる。また、153キロを計測した選手では、藤浪 晋太郎選手などが挙げられる。152キロとなると、辻内 崇伸選手関連記事などがいる。そして大谷 翔平選手が岩手大会で160キロを計測したように、甲子園だけでなく地方大会まで見てみると、様々な球速記録が高校野球にはある。昨年夏の甲子園でも、東海大相模小笠原 慎之介151キロを記録し注目を集め、今年は横浜藤平 尚真関連記事が最速152キロを計測するなど、今後もさらに速い球を投げる高校球児が出てくることが楽しみである。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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