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いきなり都城vs延岡学園が実現!近年では最も混戦の宮崎を制するのは?【宮崎抽選会後 展望】

2016.07.07

 今年の宮崎大会はいきなり激戦だ。終盤戦を迎えるころには有力校が一気にバタバタと崩れてもおかしくない。そんな予感をさせる大会となっている今大会の見所をお伝えしていきたい。

■組み合わせ表を見ながら展望を読んでみよう
【2016年 第98回全国高等学校野球選手権宮崎大会】

Aパート 日南学園ブロックには春準優勝の日向学院や佐土原

森山 弦暉(日南学園)

 日南学園は初戦で、延岡商と対戦する。技巧派左腕・森山 弦暉、強打の正捕手・萩原 哲とのバッテリーで試合を引き締めるチームだ。また上位、下位切れ目なく強打者が揃うチームとなっている。

 同ブロックには九州地区予選準優勝日向学院がいる。エース・小倉 龍成、正捕手・山下 稜介の2年生バッテリーを中心とした守備力の高さと粘り強い試合運びがウリの好チームだ。そしてノーシードだが注目したいのが佐土原佐土原には、エースの竹下 迅、2年生ながら完成度が高い好右腕・塩見 章斗がおり、その2人を正捕手の津路 昇吾がまとめる。シード校からすれば嫌なチームといえるだろう。

Bパート 投打で選手が揃う宮崎工、県選手準優勝の鵬翔がカギ

﨑村 龍揮(宮崎工)

 Bパートを見ると、春ベスト4招待試合にも出場した宮崎工はタレント揃い。主将の﨑村 龍揮は破壊力ある打撃でチームをけん引。桝田 太聖横山 英輔の2枚看板と総合力は県内上位レベルだ。初戦はと対戦。

 同ブロックには九州地区予選ベスト8の都城商がいる。右下手投げの金子 太星、走攻守の要・河野 隆平が注目で、準々決勝で富島に敗れた悔しさを忘れずに力をつけてきた戦いぶりに注目だ。

 そしてシード校、県選手権準優勝鵬翔は、同大会準決勝都城を破ったようにチーム力の高さで勝負したい。

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[page_break:Cパート / Dパートの見どころを紹介]

Cパート 一番熾烈なブロック この混戦ブロックを抜け出すのは?

山本 由伸(都城)

 最も熾烈なブロックとなった。最速151キロ右腕・山本由伸擁する都城九州地区予選では山本は投げずにチーム力を付けてきた。一方対戦相手の延岡学園は最速143キロ右腕・藤谷勇介(2年)の投球がカギ。ここまで力を発揮できないことが多かったが、大事な初戦でベストパフォーマンスを発揮できるか注目をしていきたい。

 また同ブロックには伝統校・宮崎商がいる。宮崎商は右サイドの西村 佳祐、1番を打ち巧打が自慢の主将・山村 秀太がチームの中心。最後の夏へ向けてラストスパートをかけてチームを仕上げていきたい。

 隣の山を見ると強豪校同士のつぶし合いが実現。昨夏の甲子園出場の宮崎日大宮崎大会準優勝宮崎学園の対決となった。宮崎日大は強打者・溝上 憲伸を軸とした強打のチーム。対する宮崎学園は、今春の九州地区予選では2回戦敗退となっている。そんな両校は県選手権の県央地区予選で対戦しており、そこでは4対3で宮崎日大が勝利している。ただスコアを見ればわかるように力量差はほとんどなく、初戦から激しい戦いが期待できそうだ。

 そして県選手権優勝都城工は投打でチームを引っ張る花牟礼 斗真、速球派右腕・有留 十季、強打者・高橋 潤と投打で逸材が揃う。対する宮崎第一は、今春の九州地区予選ベスト8に入った好チーム。敗れた試合も1番黒木 北斗が5打数5安打、丸目 誠也が5打数3安打を放つなど好打者が多く揃うだけに、都城工は苦戦が強いられることは間違いない。

Dパート 富島はいきなり日章学園と対戦

吉田 寛輝(富島)

 このパートの注目は九州地区予選優勝富島である。注目はエース・吉田 寛輝。真っ向から振り下ろすストレートは130キロ後半。さらに大きな武器は、縦に大きく割れるカーブで、独特の軌道を描くこのカーブは簡単に捉えられない魅力がある。この2球種のコンビネーションが上手くいったときは、簡単に打ち崩せない。

 そして強肩強打の木村 天響、主にトップバッターを打ち鋭い打球を飛ばす栗田 祥人と打力が高い選手が揃う。しかし九州大会では初出場という硬さもあったのか、全く力を発揮できなかった。だが、この経験を糧にして試合に臨むことができれば、夏では盤石な戦いを見せるに違いない。

 そんな富島の初戦の相手は日章学園となり、いきなり強豪と対戦することとなった。また同ブロックのシード・聖心ウルスラ都城高専と対戦する。

 大会序盤から見逃せない戦いが多い宮崎大会。そんな激戦の宮崎大会を制するのは、どのチームになるのか。決勝戦までかなり熱い夏になることは間違いないだろう。

(文・河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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