山村学園vs川越総合

2ランを放った菊地零士（山村学園）

　4月13日、川越市営初雁公園野球場では埼玉県春季高等学校野球大会西部地区予選1回戦2試合が行われた。
第1試合は、昨秋の県大会で強豪・聖望学園を破りベスト8入りを果たし一躍注目を浴びる山村学園と2011年春以来の県大会を狙う川越総合の対戦。

　山村学園・佐々木 大輔、川越総合・山﨑の両先発で始まった試合、先制したのは山村学園だった。1回裏、エラーで出塁した1番・山本をバントで送り一死三塁とチャンスを作り出すと、3番・菊地 零士がセンター頭上を越すタイムリーツーベースを放ち、1点を先制。さらに二死となった後7番・日置の四球と盗塁で二死二、三塁とするが、ここは川越総合・山﨑が踏ん張り追加点はならず。

　すると続く2回表、川越総合は死球とヒットで二死ながら一、三塁と同点のチャンス。ここで打順は9番・山﨑。山﨑の放った打球はショートのエラーを誘い、三塁から石川が還り川越総合が同点に追いつく。

　その裏、山村学園は先頭の7番・島崎が出塁、三塁まで進むが得点には至らず。試合がやや膠着しかけたが、それを打ち払ったのは先制打を放った菊地だった。
3回裏、四球で出塁の2番・大室を一塁に置き放ったのは、ライトへの2ランホームラン。この一打で山村学園が一気に盛り上がりを見せる。
4番・佐々木、5番・日置の連打と、内野ゴロで一死二、三塁から、7番・島崎がセンターへ2点タイムリーを放ち、この回4点をあげ川越総合を突き放しにかかる。

　なんとか追いついていきたい川越総合だったが、3回以降立ち直った山村学園先発・佐々木の前に抑え込まれる。
佐々木は4点をもらった次の4回には6球で川越総合の攻撃を終わらせるなど、打線の勢いをそのまま力にし、さらに加速させるそうな投球を見せる。

　そうして勢いづいた山村学園は4回裏、さらに追加点を奪う。
一死から菊地がヒットで出塁。4番・佐々木も死球で出塁すると、5番・日置がすかさず2点タイムリースリーベース。6番・金子もタイムリーで続き3点目。さらに8番・涌井のタイムリーやパスボールで得点を重ねると、さらに1番・山本の内野ゴロの間に1点を追加しこの回6点目。11対1と10点差をつける。

　続く5回の川越総合の攻撃を佐々木からマウンドを譲り受けた真砂が3人で抑え、ゲームセット。山村学園が11対1で5回コールドを成立させ、好調なスタートを切った。
山村学園、やはり勢いに乗せると怖いチームだ。この春もこのまま勝ち進み、県大会で旋風を巻き起こす可能性は十分に見せてくれた。

（取材・写真＝青木 有実子）