試合レポート

中京vs藤枝明誠

2015.10.17

序盤に打線爆発の中京が、継投でリードを守り切る

2本の三塁打を放った中京・平君

 雨の心配もされたが、天気予報がいい方に外れたというか、絶好の野球日和となった。
午後になってきてからは、むしろ暑いくらいの秋の日差しが降り注いでいたが、そんな中で繰り広げられた試合。お互いに、県大会であと一つのところで敗れて、それでも次への望みがつながっていくのも、秋の大会の特徴でもある。そんな気持ちで挑んだ試合であったのではないだろうか。

 試合は、いきなり岐阜中京の打線が火を噴いた。先頭の吉位君が右前打で出ると、バントで送り、3番平君は巧みに左へ運んで三塁打として先制。4番今井君は警戒されて敬遠気味の四球となったが、渡邉君が中前打して2点目。西川君は内野ゴロとなったが一三塁となり、7番小鶴君の打球はセンター頭上を襲って三塁打。これで、この回一挙に4点が入った。

 勢いづいた岐阜中京は、2回にも四球の吉位君を平君が再び、今度は右へ引っ張っての三塁打でさらに1点を追加した。ここまで岐阜中京打線は、藤枝明誠は左打線が十分に機能していたと言えよう。

 最初から、継投は予定していたという岐阜中京だったが、序盤での5点リードは先発小鶴君にとっては、ありがたい得点だったであろう。橋本 哲也監督は小鶴君に、「4点までは大丈夫だ」ということを言い渡して送り出したというが、それよりも多くの得点を自分のバットも含めて味方が早々に取ってくれたことになった。


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2015年秋季大会

度胸のいい投球を見せた2番手・重本君(中京)

 反撃に出たい藤枝明誠は4回、四球で出た3番中田 悠斗君を4番伊藤 翼咲君が右中間二塁打で還す。さらにバントで三塁へ進むと、中田 海斗君の時に、光岡 孝監督はスクイズを指示。それを見破ったバッテリーは外にウエスとしたが、それが大きく外れすぎて、結果的には暴投となって三塁走者は労せずして生還した。結局、中田海君は安打してチャンスを続けたものの、後続は小鶴君が抑えた。

 そして岐阜中京は5回、死球と西川君、小鶴君の連打などで満塁として、押し出しと併殺崩れで2点を取り戻して、再び5点差とした。

 粘る藤枝明誠も6回に、二死一二塁から、7番長谷川君が左越二塁打して2点を返した。結局、小鶴君はこの回でマウンドを降りて、7回からは2番手として重本君がマウンドに立って、代わり端は振り逃げなどで走者を出したものの、度胸のいい投球で3イニングをきっちりと押さえた。
橋本監督は、「練習試合では、いろんな場面でリリーフのマウンドを経験させていますから、スパッとイニングの頭からというのは、むしろ気持ちとしては楽だったのではないでしょうか。投手は、1年生ですけれども、メンタルの部分はしっかりと鍛えてありますから」と、自信を持って語っていた。

 その後は、重本君は自分の投球というか、思い切りよく相手打者に向かっていって、8回と9回は3人ずつで抑えていっていた。こうして、岐阜中京はイメージ通りの継投で何とか次への望みをつないだ。大会開催地の地元としても、次へ進めたということは大きいのではないだろうか。

 橋本監督も、「相手に応じて打線も変えてみたりしていますけれども、2時間半楽しんで来いよと送り出したのですが、それに応えてくれましたね。今日は、打たせてもらえませんでしたが、今井(順之助)には、今日はよく我慢したと言ってあげますよ」と、主砲の今井君が勝負してもらえなかったが、そのことはあまり意識していないということだった。

(文=手束 仁


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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