試合レポート

作新学院vs上田西

2015.08.12

力及ばず、上田西散る。作新学院が3回戦へ!

 連日、激闘が繰り広げられる甲子園。全49代表中、最後に満を持して姿を現した作新学院。昨年は一回戦敗退という悔しい結果となり、まずは二年ぶりの勝利を手にするために試合に臨む。対する、上田西は、一回戦にて悲願の甲子園初勝利を挙げ、今勢いに乗る一校。好投手草海 光貴の投球にも注目が集まる一戦であったが、試合は作新学院の底力に、上田西が屈する展開となった。

 試合は二回表の作新学院の攻撃から動いた。二死となった場面から、7番黒崎 健斗が二塁打を放ち、続く横尾 宣甫が適時打を放つことで、あっさりと先制点を挙げる。

 さらに、続く三回表。先頭赤木 陸哉がヒットで出塁し、続く2番藤野 佑介が犠打で送る。3番添田 真海の内野ゴロは進塁打となり、二死三塁とチャンスが広がる。続く、4番朝山 広憲は少し逃げ気味の四球となり、5番小林 虎太郎が左適時打を放つことで一点を追加。ここまで、2対0と作新学院がリード。

 じわじわと得点を重ねる作新学院のペースに、序盤は上田西も食らいついた。

 流れが変わったのは4回表の上田西の守備からであった。作新学院が、安打からチャンスを作り、無死一塁となった場面で、ヒットエンドランを試みる。しかし、ここは投手草海の冷静なフィールディングで見事ダブルプレーを演出。その後、後続を三振としていい流れで4回裏の攻撃へと繋げた。

 良い雰囲気で守備を終えた上田西は、4回裏に反撃を開始する。先頭三井 崇平が安打で出塁し、後続は凡退。5番松本 大亮が右安打を放つことで一死一、二塁のチャンスをつくることに成功。さらに、暴投で進塁し、二死二、三塁となると、6番西沢 大介が犠飛を放ち、まずは一点を返す。続く野口 雅史も適時打を放ちもう一点を追加。守備から作った流れから、見事上田西が2対2の同点に追いついた。


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 しかし、作新学院は底力を見せ始める。5回表には、作新学院1番赤木、2番藤野、3番添田の三連打で2得点。再び作新学院が上田西からリードを奪うと、作新学院はさらにギアを一つ上げるかのような攻撃を繰り出す。

 7回表の作新学院の攻撃。
まずは、二連打で1点を追加し、5対2とすると、ここで上田西は投手を交代。草海に変わり、背番号11をつける柳沢 奨太がマウンドに上がった。しかし、その柳沢も作新学院打線に捕まる。死球と二連打で8対2とリードを広げられ、ここで上田西ベンチは再び動く。マウンドには3番手工藤 陽平が向かうも、工藤も適時打を許してしまう。結局、7回表は作新学院が均衡を破る一挙5得点を挙げ、9対2と一気に上田西を突き放した。

 一方、上田西にも意地がある。
迎えた8回裏には、四球と敵失でチャンスと作ると、3番三井、4番大藪 将也の二連打で2点を返す。

 9回表には、再び草海 光貴がマウンドに上がるも、四球と連打で1点を失い10対4。9回裏には、上田西最後の粘りを見せ、2点を返すも万事休す。

 10対6で作新学院上田西を下し、3回戦へと駒を進めた。

 初戦の甲子園初勝利で印象的なデビューとなった上田西。このまま勝ち進み、上田西旋風が巻き起こるか、そんな勢いを感じた上田西であったが、作新学院の底力の前に散ってしまった。逆に、それほどの勢いのあった上田西を、作新学院は、初戦までの期間が長く調整が難しい中でしっかりと倒すことができたのは、さすがと言わざるを得ない。5年連続出場ではあるが、近年成績が振るわなかった作新学院作新学院の新たな歴史が始まることに期待をしたい。

(文=高校野球ドットコム編集部


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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