【第97回山口大会展望】新鋭校、伝統校が集う今年の山口を制するのは?
7月11日に開幕する山口県。開幕日から4会場にて熱戦が繰り広げられる。
近年の成績を振り返ると、2013年春、高川学園が中国大会優勝(試合レポート)、2013年秋、岩国が中国大会優勝(試合レポート)、2014年秋、宇部鴻城が中国大会優勝(試合レポート)と、近年、中国勢では非常に勢いある山口県。実際に中国大会、神宮大会、甲子園に出てくる山口県の代表を見ると攻守ともにまとまりがあり、抜け目がない。勝ち上がるのもうなづける。今大会も近年、甲子園に出場しているチームが中心となりそうだ。
宇部鴻城・岩国ブロックは高川学園、熊毛南も入る熾烈なブロック
上西 嵐満(宇部鴻城)
このブロックは昨夏の甲子園出場の岩国と今春のセンバツ出場の宇部鴻城が同ブロックとなり熾烈な争いが予想される。
宇部鴻城は、130キロ後半の速球、キレのあるスライダーを投げ込む上西 嵐満、140キロ台の速球を投げ込む木場 優大の二枚看板は有力。また打者としては、パンチ力ある4番・岡田 克樹、巧打者の梅本 大輝、打撃が良い上西を中心につなぎある打線で勝負する。初戦は山口西京と宇部高専の勝者と対戦する。
また評判が高いのは、長門。今春の県大会では初戦敗退だったとはいえ、好左腕・松本 仁が強豪校を脅かす存在になるのではないかと評判である。
岩国は、1年秋から活躍してきた大型二塁手・川本 拓歩に注目。初戦は、柳井と本格派右腕・松本 大輝擁する聖光の勝者と対戦する。注目は、2013年中国大会優勝を経験している長谷川 和輝を中心に野球を知っている選手が集まった高川学園と昨夏準優勝の熊毛南が対決することになった。盛り上がりを見せるカードになりそうだ。
下関国際・桜ヶ丘ブロック:春優勝の下関国際はこの夏躍進を見せるか
春優勝の下関国際は、制球力が長けた小山 司と勝負強い捕手・吉中 瑞樹を中心に粘り強く勝ち上がってきた。この粘り強さを夏までに発揮できるか注目だ。初戦は西市と対戦する。ベスト8の桜ケ丘は右の本格派・吹本 貴也が注目。左の好投手・野原 真央も面白く、2人が両輪となって活躍すれば、上位は見えてくるだろう。
初戦は岩国総合と下松工の勝者と対戦する。
そして下関工は現校名では最後の夏を迎える。広角に打ち分ける田尻 和希、攻守の要・永冨 大珠など好選手が揃う。下関国際と同ブロックで、お互い勝ち上がれば2回戦で対決する。
今春ベスト8で宇部鴻城と1対2の接戦を演じた光は徳山と対戦。また同ブロックには、昨春中国大会出場の岩国商も集う。
柳井学園・宇部商ブロック
柳井学園は柳井商工と防府の勝者と対戦。また注目は、大型捕手・宮崎 佑太擁する宇部商とこの春、ベスト8の宇部工が初戦で対決。宇部市を代表する伝統校同士の対決は非常に盛り上がりを見せそうだ。
宇部商の宮崎は、ディフェンス力の高さだけではなく、しっかりとボールを捉えて鋭い打球を打てる選手で、この夏の注目野手に挙がるだろう。
徳山商工・下関商ブロック 南陽工が上位を狙う
また今春ベスト4の徳山商工は、新南陽と好投手・小川 聡擁する南陽工の勝者と対戦。南陽工は先日の春季大会で桜ケ丘と0対1の接戦を演じており、最後の夏では怖い存在となりそうだ。さらに昨秋のベスト8の下関商は香川と対戦する。
左側のブロックは、近年の出場校が固まっているが、右側のブロックは、宇部商や南陽工などの伝統校が集まった。やはりこの2校の意地に期待したい。
私立、公立問わず実力校が集結した山口県。甲子園まで勝ち上がるのはどのチームになるのか。注目をしていきたい。
(文=河嶋 宗一)
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