【第97回宮崎大会展望】日南学園、延岡学園の有力校が候補に挙がるも、勢いある都城勢の学校も脅威!
2013年夏、延岡学園が甲子園準優勝(試合レポート)を果たすなど、全国的にもレベルが高い宮崎県。5月に全国区の強豪校と招待試合を行うなど、県として強化に力を入れている。春優勝(試合レポート)の日南学園が注目されるが、全体的に甲子園を狙えそうな有力校が多く、混戦になりそうだ。どんな大会が予想されるだろうか。
日南学園・宮崎学園ブロック:プロ注目の横山颯はラストサマーで魅せるか?
横山楓(宮崎学園)
春優勝(試合レポート)の日南学園は日南振徳と対戦。今年の日南学園は、前田 智也、2年生の前田 尚輝の二遊間コンビが攻守の要となり、左の強打者・山口 拓馬を中心とした強力打線。投手陣では左腕の和間 渉を中心に粘り強く勝ち抜くスタイルだ。
またこのブロック注目は、プロ注目の速球派右腕・横山 楓擁する宮崎学園だ。左肩のグラブを高く掲げたフォームから繰り出す常時140km/h前半の速球はキレがあり、短いイニングとなれば、145km/h前後の速球をしっかりと投げ込んでくる投手。スカウト内の評判は高く、さらに評価を高める投球ができるか。初戦の相手となる可能性があるのは小林西と富島といずれも好チーム。特に富島は昨秋の1年生大会で都城を破って優勝(試合レポート)。JR九州の吉田 奈緒貴の弟である好投手・吉田 寛輝と大型捕手・木村 天響のバッテリーは要注目だ。
延岡学園・都城商ブロック:NHK杯優勝の都城商は夏も躍進なるか?
秋優勝(試合レポート)の延岡学園は5月に開催されたMRT招待試合で、東海大相模にサヨナラ勝ちした底力が注目(試合レポート)。投手・三塁手・中堅守も兼ねる岡田 友輝や一塁手の野崎 浩二が中心になりそうだ。初戦は宮崎福島と対戦する。
またNHK杯優勝の都城商は、NHK杯準決勝で日南学園と対戦し11対1で破ると、決勝では聖心ウルスラを8対3で破って見せるなど投打ともに内容ある大会であった。初戦は日向学院と対戦する。
また昨秋のベスト8の都城東、鵬翔、今春8強の都城工も同ブロックで熾烈なブロックとなっている。
■宮崎県のチームに、この夏にかける熱い思いを聞きました!
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宮崎日大・都城ブロック:元プロ監督率いる宮崎日大、勢いある都城が注目の的
山本 由伸(都城)
宮崎日大は、昨年8月に元プロの榊原 聡一郎氏が監督に就任し、着々と戦力を強化。プロ注目で走攻守三拍子揃った大型外野手・前田 禎史、エース・杉尾 剛史などポテンシャルが高い選手が揃う。春は3回戦負けだが、さらに投打でレベルアップすれば、十分に優勝候補に名前が挙がるチームだろう。初戦は小林と対戦する。
そして注目なのが鹿児島実OBの森松 賢容監督率いる都城だ。森松監督は高校時代、福岡ソフトバンクホークスで活躍する本多 雄一選手と同期で、城西大卒業後、瀬戸内(広島)の監督に就任。2009年春には中国大会出場に導くなど、まだ31歳ながら指導力のある監督である。森松監督の下、夏の甲子園8回、選抜1回の出場を誇る都城は再び強化されつつある。昨秋は4強、1年生大会は準優勝、春は準優勝(試合レポート)と着実に結果を残してきている。
都城の魅力はキビキビとした試合運び、全力疾走、そしてグラウンド上に溢れる笑顔である。その魅力に気付いた宮崎の高校野球ファンは都城に多くの期待を寄せている。
注目は2年生エースの山本 由伸。今春の県大会3回戦の宮崎農戦では1安打完封(試合レポート)。球速はまだ135キロ前後ぐらいだが、制球力、変化球のキレ味ともに一級品で、まさに勝てる投手である。この夏は最後まで投げぬくスタミナ面が出ているのか注目をしていきたい。その都城はいきなり伝統校・宮崎工と対戦。非常に盛り上がる一戦になることは間違いない。
また同ブロックでは2012年選抜出場の宮崎西も登場。シード校を脅かすダークホースとして見逃せないチームだ。
聖心ウルスラ・延岡商業ブロック:
ノーシードの宮崎商、日章学園がダークホースとなるか
昨秋準優勝(試合レポート)の聖心ウルスラはエース左腕・川嶋 春輝、4番で捕手の中島陸を中心に、守り勝つ好チーム。春4強、NHK杯準優勝と、安定した実績を残しており、この夏も躍進が期待できそうだ。初戦は、宮崎本庄と対戦する。
また春4強の延岡商は、2014年台湾遠征の宮崎選抜チームに選ばれた左打ちの遊撃手・工藤 祐太、エース佐藤 賢吾を軸に勝ち上がってきた。初戦は強豪・宮崎商と対戦。非常に盛り上がる一戦になりそう。そしてノーシードの日章学園がやはり怖い存在だ。
前評判としては春優勝で2年連続の甲子園を狙う日南学園、招待試合で東海大相模に競り勝ち、2年ぶりの甲子園を狙う延岡学園、プロ注目右腕の横山がいる宮崎学園が注目を浴びているが、都城市の学校は昨秋と春に合わせて3校(都城、都城東、都城工)がベスト8以上に入っており、さらに6月のNHK杯では都城商が優勝と、都城市の躍進が光る。今年は有力校の状況を占いつつ、都城市にある各校の戦いぶりも注目してもらいたい。
(文=河嶋 宗一)
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