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2015年の高校野球を占う【京都編】 龍谷大平安、立命館宇治に対抗する有力校を紹介!

2015.02.19

代表校が近畿大会でも好成績を収め京都のレベルの高さを証明

 同じ関西地区にある大阪、兵庫の激戦区に目が行きがちだが、昨年のセンバツ龍谷大平安福知山成美の2校がベスト8入りするなど京都にも全国の強豪と互角以上に戦える有力校が複数ある。昨秋優勝した龍谷大平安準優勝立命館宇治近畿大会でも好結果を残し、3年続けて京都から2校センバツ代表校を輩出した。

連勝街道を突き進む龍谷大平安

高橋 奎二(龍谷大平安)

 京都で負けなしの22連勝。と4連覇中の龍谷大平安には頼もしい大黒柱・高橋 奎二(2年)がいる。威力満点のストレートにスライダー、カーブを織り交ぜる全国屈指の好左腕から連打を放つことは難しい。

 同じく左腕の元氏 玲仁(2年)も旧チームから残るが、高橋は
「自分がしっかり投げないと勝てないので。去年は後ろに先輩がいましたけど、今年は最後まで自分で投げるしかない」
とエースの自覚も十分。

 打線では、長打力のある西川 寛崇(2年)など候補は何人かいるが、秋の時点では原田監督が安心して「平安の4番」を任せられる打者はいなかった。

 それでも冬と6月の追い込む練習でチーム力を底上げするのが王者の伝統。仮に春の時点では前評判が高くなくても夏にはきっちり仕上げてくる。
打線全体の強化、そして元氏が筆頭候補だが、高橋に次ぐ2番手投手の育成が当面の課題だ。

好打の強打者・奈良が立命館宇治を引っ張る

 龍谷大平安の高橋が京都一の投手なら、京都一の打者は立命館宇治にいる。3番を打つ奈良 祥平(2年)だ。昨春は高橋から本塁打、昨秋は2点を追う9回二死二塁にあわや本塁打というフェンス直撃のタイムリーツーベースを放った。長打力もあるが決して大振りするタイプでなく確実性も兼ね備える。

 また、旧チームからレギュラーの多くが残り打線全体のレベルも高い。特に奈良の後ろを打つ4番・伊藤 大賀(2年)のスイングは鋭く、この主軸2人の振りの鋭さは対戦相手にとっては脅威となる。エース左腕・山下 太雅(2年)は完投能力があり牽制も上手い。昨年はに決勝に進んだがどちらも準優勝。敗れた相手は龍谷大平安だった。日を追うごとに差が縮まっているだけに今年はリベンジを果たしたい。

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
龍谷大学付属平安高等学校(2014年06月19日公開)
龍谷大学付属平安高等学校(2012年02月15日公開)

2015年度 春季高校野球大会 特設ページ
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

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[page_break:有力校はどこまで自分達の野球が出来るか / 今年の京都は左腕エースvs右の主軸打者の対決が勝敗のカギ]

有力校はどこまで自分達の野球が出来るか

山下太雅(立命館宇治)

 センバツに出場するこの2校を複数の有力校が僅差で追う。昨秋3位の京都鳥羽は派手さこそ無いが守備が堅く、失策から崩れ自滅するということはまずあり得ない。どこと当たってもロースコアの展開が多くなると予想されるが、好機を確実にものにして勝利を掴みたい。

 福知山成美は18年間チームを率いた田所監督が昨夏限りで退任。3季連続でベスト8入りを逃すなど大きな変革期を迎えている。中学時代からの注目投手・犬丸 和樹(1年)も手術明けからの復活を目指すがやはり打撃のチームのイメージが強い。2年生だけで50人以上いる部員を、長年コーチを務めた井本新監督がどのようにまとめ上げるか。

 10年前には1、2番タイプの打者を多く揃えた打線と投手を中心にした守りの野球で夏に2連覇を果たした京都外大西だが、甲子園出場は2010年の夏以来遠ざかる。昨夏の京都は大会全体の傾向としてバントするよりも強攻策が目立ち、甲子園でもベスト4に勝ち残ったのは全て強打のチームになるなど5点勝負がトレンドになりつつある。時代の潮流に乗り遅れることなく西校カラーをどこまで発揮出来るか。

 守備の京都鳥羽、打撃の福知山成美、粘りの京都外大西とタイプの違う伝統校に食事トレーニングで体作りを行い強豪の仲間入りを果たした新鋭の京都翔英なども上位進出を狙う。また、知名度はそれほど高くないが京都海洋の主戦左腕・谷口 弘幸(2年)は入学時から先発を務める好投手。春に京都南部の強豪校と当たるためには北部ブロックで3つ勝つ必要があるが、ラストイヤーにその名を轟かせたい。

今年の京都は左腕エースvs右の主軸打者の対決が勝敗のカギ

 龍谷大平安・高橋、立命館宇治・山下は共に左腕。京都鳥羽の主戦・松尾 大輝(2年)は右腕だが、3位決定戦で好投した山田 純輝(2年)も左腕と今年の京都は左の好投手が多い。となれば攻略のカギを握るのは右の強打者か。

 上記に名前を挙げた龍谷大平安・西川、立命館宇治・奈良や旧チームでも4番を務めた福知山成美西元 正輝(2年)は全員一発のある右のスラッガー。今年の京都は上位校に実力の差はそれほどなく混戦模様。1つのミス、1本のヒットで試合の流れが大きく変わるため、左腕エースvs右の主軸打者の対決の結果がそのまま勝敗に直結するかもしれない。

(文・小中 翔太

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
京都翔英高等学校(2013年01月30日公開)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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