吉田 嵩選手(海星高等学校)
今年の甲子園で145キロを計測し、一気にその名を上げた長崎海星の吉田嵩投手をインタビュー!国体ではどういう位置づけで臨み、どんな投球内容だったのか。改めて振り返っていく。
ラストチャンスと位置付けた長崎国体

吉田 嵩選手(海星高等学校)
この夏、甲子園の二松学舎大附戦(試合レポート)で最速145キロを計測し、一気にスカウト、メディア内での評価が上昇した吉田 嵩。
彼の魅力は183センチ82キロと恵まれた体格、肩肘の柔らかさを存分に生かした完成度の高い投球フォーム、軽快なフィールディング、1.1秒台を計測するクイックの速さと、素材としても、技術的にも、高いレベルに達していることだ。
甲子園の投球を振り返って吉田は、
「少しはアピール出来たけど、まだ足りない」と振り返る。1回戦負けしたものの、長崎海星は地元開催で、国体出場が決まっている。今回の国体はどういう位置づけで臨んだのか。それを伺うと、
「国体は自分にとってアピール出来るラストチャンス。そのための準備をしてきました」と答えてくれた。
新チームがスタートし、練習は新チームのメンバーが使う事が優先になりながらも、吉田はグラウンドで調整を続けてきた。
そして迎えた聖光学院戦(試合レポート)。吉田は初回から全快投球。最速143キロを計測し、3番柳沼を内角に決まる141キロのストレートで見逃し三振に奪い、三者凡退に抑える快調な立ち上がりを見せる。
だが2回裏、4番安田 光希に高めに入ったストレートを捉えられ、先制本塁打を許す。本塁打は打たれたが、吉田はその後の投球が大事と、落ち着いた投球を見せる。
常時130キロ後半~140キロ前半の直球、100キロ台のカーブ、120キロ台のスライダー、130キロ台のカットボール、スプリットを交え、聖光学院打線を抑える。そして打線も6回表に逆転に成功。聖光学院の齊藤監督も、「まさに圧巻。手が出ないことはこのことをいうのでしょう。特にカットボールが素晴らしかった」と吉田の投球を絶賛していた。
だが8回裏に、先頭打者に四球を与え、二死一、二塁から2番石垣 光浩に逆転三塁打を打たれ、敗戦投手となった。吉田は、「最後に詰めの甘さが出たのが自分の課題」と振り返った。だが8回3失点の内容については、
「負け投手になったのは残念でしたが、出来るだけのアピールはしたと思います」
目前に迫ったドラフトだが、
「指名されるか、指名されないか、不安はあります。僕はプロ野球選手になることが目標なので、指名がない場合でも、独立リーグ入りも考えています」
アイランドリーグ、BCリーグ入りも視野に入れているようだ。
将来性は素晴らしいモノを秘めた吉田 嵩。ドラフト当日は彼に吉報が届くのだろうか。
(文・河嶋 宗一)