川越東vs市立川越
川越東が19安打で市立川越を圧倒!5回コールド勝ちで準決勝進出
口火を切る二塁打を放った福岡(川越東)
攻撃の口火をきったのが川越東の1番福岡 高輝(2年)だ。福岡はいきなり右中間を破る二塁打を放ち出塁。犠打で一死三塁となって、3番駒崎が右前適時打を放ち、1点を先制する。さらに一死満塁とし、6番鈴木が左前適時打で、2対0。7番札葉が犠飛を放ち、3対0とする。
さらに3回表、一死満塁のチャンスから、ここまで2安打を放っている1番福岡に打席が回ってきた。福岡はライトオーバーの二塁打を放ち、2点を追加し、5対0。4回表、併殺崩れの間にさらに1点を追加し、6対0。
5回表、先頭の8番星野が二塁打。藤野の二ゴロで一死三塁から、1番福岡は中前適時打を放ち、7対0とする。福岡はこれで4打数4安打3打点の活躍だ。
さらに2番大南が内野安打で一死一、二塁。3番駒崎が右中間を破る二塁打で二者生還し、9対0に。さらに4番吉澤が右中間を破る三塁打で、10対0で、5回コールドの点差となった。
さらに連打は続き、この回、打者12人の猛攻で、計8得点を入れて、14対0と大きく差を広げた。そしてその裏、0点に抑え、14対0で川越東が5回コールド勝ちで準決勝進出を決めた。
先発・高橋佑樹(川越東)
19安打14得点と圧勝。市立川越の先発・登坂は右上手から常時130キロ前後の速球を投げる右腕だが、登坂の速球に対応することができていた。その中でも突出していたのが福岡 高輝(2年・173センチ68キロ・右投げ左打ち)。
この試合では5打数4安打3打点。技術的に高度な選手だ。スクエアスタンスで構え、背筋を伸ばしてすらっと構える姿は力みがなく、好打者という雰囲気を漂わせる。ゆったりと足を上げていきながら、真っ直ぐ踏み込み、トップから肩口に振り出すため、最短距離で振り抜くことができ、どんな球種でも対応が出来ている。
また軽快な守備も光り、グラブさばきが軽快。バウントに合わせるのが上手いので、堅実な守備が出来ている。
守備、打撃ともに完成度が高く、1番という打順が彼に合っているのか、チームに勢いをもたらす打撃を見せている。
また8番の星野 裕帆(1年・右投げ左打ち)は183センチ83キロと恵まれた体格をした選手で、捉えた打球はとても下位打線に座る選手とは思えなかったが、調べると地区予選では4番を打っていた選手のようだ。星野がさらに調子を上げると怖い打線になるだろう。
そして先発の高橋 佑樹(2年・175センチ73キロ・左投げ左打ち)は、ここまで3試合で24イニングを投げて、わずか1失点と抜群の安定感を誇る左腕。
小柄ながら、常時130キロ~135キロの直球、曲がりの小さいスライダー、カーブをテンポ良く投げ分ける左腕だ。この試合は4イニング無失点の好投。これで計27イニングを投げて1失点と好調を維持している。
前世代の埼玉は小島 和哉(浦和学院)、金子 大地(春日部共栄)、上條 将希(市立川越)と左の好投手がズラリと揃っていたが、高橋は一冬でストレートのキレ、スピードを磨き、よりチェンジアップに磨きをかけていければ、その3投手に並ぶような実戦派左腕に育つ可能性を持った投手だった。
攻守ともに圧倒的な内容を残した川越東。関東大会出場を目指し、4日の準決勝では春日部東と対戦する。
(文=河嶋 宗一)