試合レポート

八潮南vs新座柳瀬

2014.07.11

リリーフ・川村 好救援!! 八潮南の逆転劇を呼び込む!

 八潮南が息詰まる戦いを制し、初戦突破を決めた。
先制したのは新座柳瀬だった。2回表、篠原大司(2年)の適時打で先制すると、3回裏、八潮南高垣 憂弥(3年)が右中間を破る三塁打を放ち、2番黒田 侑希(3年)の左前適時打で、1対1の同点に追いつく。

 だが新座柳瀬は4回表、無死満塁から7番篠原の投手強襲のゴロ。八潮南の先発・町田 雄希(3年)は本塁へ投げることが出来ず、一塁へ。これで1点。一死二、三塁から8番福島 和喜(3年)が中前2点適時打で、4対1と点差を広げる。

 
 八潮南は流れを変えるために5回表から背番号10の川村 将大(3年)が登板。川村は182センチ77キロと恵まれた体格を誇る右腕。内回りのテークバックから振り下ろす常時120キロ後半と球速面は先発の町田と変わらない。しかし身長が172センチの町田とは10センチ違う。川村は自分の身長の高さを活かし、振り下ろす投げ方で角度ある速球を投げ込む。この速球に新座柳瀬打線はついていくことができなかった。

 川村の好投に打線は応えて、なんとか同点に追いつきたいところ。7回裏、八潮南は反撃に出る。一死から1番高垣が左前安打で出塁、さらに盗塁を決め、2番黒田は左飛で二死となるが、3番高柳 涼(3年)が死球で繋ぎ、二死一、二塁。ここで4番上口 翔大(3年)が直球を振り抜き、左越え二塁打を放ち、二者生還し、4対3の1点差に。さらに5番安 靖晴(1年)が中前適時打を放ち、4対4の同点に追いついた。


 同点に追いついた直後の8回表、川村が三者凡退に抑えると、流れは八潮南に。その裏、一死から9番小林 侑生(3年)が左二塁打を放つと、1番高垣が右飛。やや浅いフライだったが、小林は全力疾走で三塁に陥れた。これが結果として大きかった。2番黒田は四球。4ボール目が後ろに逸れて、その間に三塁走者の小林が本塁へ陥れ、勝ち越しに成功。打者走者の黒田はこの間に一気二塁を陥れる。そして3番高柳の右前適時打で更に1点を追加。6対4と2点を勝ち越す。

 5回から登板し、4イニング無失点の川村。9回もマウンドに登り、先頭の増渕 壮一郎(3年)に三塁打を打たれるが、その後、連続三振を奪って、二死。あと1人となったところで、失策から1点を失うが、1番湊 敬介(3年)を遊ゴロに打ち取り、試合終了。その瞬間、川村は拳を突き上げ、喜びを表した。

 川村は182センチの長身から投げ込む角度のある130キロ近い速球も魅力だが、何よりもピンチで動じない精神力の強さが素晴らしかった。エースが4回で降板することになり、チームにとっては苦しい試合運びだった。しかし2番手の川村の好リリーフで逆転を掴んだ八潮南。今日の逆転勝利は、八潮南ナインに大きな勢いを与える1勝になったはずだ。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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