Column

第61回沖縄県高校野球春季大会の展望

2014.03.12

 第86回選抜高校野球大会に出場する明治神宮大会覇者沖縄尚学と、九州地区高校野球大会準優勝美里工が不在となる春季県大会の組み合わせが決まった。

 県内二強が不在の春となるが、だからこそここで頂点を極め、第134回九州地区高校野球大会の切符と、夏のシード順位を決するチャレンジマッチへの権利を手に入れることが、他のライバル達にとって必須となってくる。では各ブロック毎の展望を見ていこう。

[pc]

第61回沖縄県高校野球春季大会の展望 | 高校野球ドットコム

[/pc]

Aブロックの展望

 秋季県大会三位、秋季九州地区大会でも初戦を突破した八重山商工がシード。三位決定戦を含めた全6試合58イニングを、一人で投げ切る驚異的なスタミナを誇る馬場 寿希矢が大黒柱。自責点が僅か5で防御率は0.76。被打率.157という数字も光る。その馬場から2点を奪った沖縄工が再び立ちはだかりそう。好左腕の仲里 健吾も3失点したものの、八重山商工打線から8三振を奪っている。
 同じく秋ベスト8で21世紀枠候補にも上がった知念や、16強の陽明与勝に加え、身体能力の高い選手が揃う沖縄宮古を向こうに回して、8イニング無失点に抑えた屋宜 裕らを、2010年に嘉手納で選抜出場した経験を持つ眞玉橋監督が率いる美来工科や、好投手・浜川 優馬がいる沖縄石川、古豪の那覇も侮れない。

Bブロックの展望

 普天間を9奪三振1失点、続く沖縄尚学には9安打を許すも2点と王者を最後まで苦しめた山入端 立郎が健在の真和志がシード。絶対エースの譜久村 誠悟や強打の砂川らを擁した、昨年の準優勝メンバーに追い付けるかどうかは、山入端の左腕にかかっている。
 秋に延長11回の末に読谷に敗れた糸満だが、1月に行われた野球部対抗競技会にて全体の1位を獲得した。100m走で1位の神谷 大雅をはじめとしたナインのその脚力は間違いなく沖縄No.1。対戦相手を戦々恐々とさせるに違いない。その糸満沖縄水産を1点差で破ってベスト16入りした読谷も勝負強さが光る。上位候補の普天間や沖縄宮古も入ったこのブロックに、復活を懸ける興南が加わり最激戦区の様相となった。沖縄尚学に6回2失点とゲームを作った荻堂 重晃はもちろん、2イニング6人に対して無安打に抑えた城間 楽人にも注目が集まる。

Cブロックの展望

 二年連続で秋の九州大会へ出場した宜野座がシード。浦添商に流れを渡さなかった伊保 拓海漢那 憲李知念 諄也のリレーや、コツコツと繋げる打線など、粘り強さを身上とする。
 ライバルとなりそうなのが那覇商前原西原の秋ベスト16組。試合巧者の豊見城や昨年優勝の北山、同三位の八重山らがそれに続く。復活を期する一年生大会4強左腕、島袋 洋平小禄もダークホースだ。

Dブロックの展望

 美里工伊波友和には4安打と抑え込まれたものの、それまでの3試合で39安打を放った強力打線の嘉手納がシード。新人中央大会で周囲の度肝を抜いた知花 由樹大城 璃功のCO砲を中心としたチーム打率は、準々決勝までの4試合を終えて.341にまで上った。桃原 瑠希當山 富芳と左右の投手も揃える嘉手納が、バランス的にも一番良いだろう。その嘉手納にストップをかけそうなのが、一回戦屈指の好カードでもある首里中部商の勝者だ。
 首里は昨年の一年生大会8強、今年の一年生大会準優勝と、ここ数年の間では一番期待が持てるチーム構成になってきている。対する中部商真和志に敗れたとはいえ、延長13回と互角の実力を見せつけている。
 新人中央大会準優勝コザと、秋ベスト8浦添商。優勝候補の二校が早くも二回戦で激突しそう。1点を争うような好ゲームが期待される両者。ここで勝ち残った方が一気に波に乗る可能性を秘めている。
 その他にも力のある浦添具志川北中城宜野湾と最後まで分からない実力伯仲の4チームが星を潰し合う。この厳しい戦いを制したナインが、先述した嘉手納首里中部商の勝ち上がりとぶつかる三回戦など、Bブロックに劣らない激戦地となりそうだ。

組み合わせ表(沖縄県高野連HP)

応援メッセージはこちらよりご覧ください

(文=當山 雅通

第61回沖縄県高校野球春季大会の展望 | 高校野球ドットコム

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉