試合レポート

県立岐阜商vs東邦

2012.05.27

県立岐阜商vs東邦 | 高校野球ドットコム

県岐商・堀内君

部員109人のまとまり‼

前日の1回戦、会心の試合運びだった県岐商。この春は、雨などで日程や会場の変更が重なり、この大会で初めて長良川球場で試合をすることになったということもあって気持ちも入っていたようだ。

その前日のオーダーからクリーンアップを少し入れ替えたのは、藤田明宏監督が「相手の投手が右でくると思ったので、ジグザグ打線で試してみたかった」という意図もあった。それで、堀内雅史君が3番になり、安藤泰之君が4番、5番には岩田啓佑君を入れて武藤嘉威君を6番に下げた。その打線が、1回にいきなり機能する形になった。

1回の県岐商は、2死走者なしから堀内君がライトへ二塁打を放つと、四死球で満塁となったところで、武藤君がレフト前へ2点タイムリーを放って先制した。さらに、2回にも、1死満塁から東邦先発・竹中大智君の暴投で追加点を挙げ、なおも1死二、三塁となり、堀内君がライトへ打ち上げた。犠牲フライになるかと思われる打球だったが、ここは東邦のライト・松井聖君が好返球で走者を刺した。

その後は、竹中君も走者を出しながらも3、4回を凌いでいった。そして東邦は5回から左腕の堀江伸哉君を投入して、流れを変えにかかった。堀江君は代わった回は3人でピシャリと抑えた。こうして、試合は東邦が3点を追いかける形になった。

しかし、県岐商は守りには入らず攻めの姿勢を示した。
グラウンド整備後の6回に再び県岐商が攻める。田中宏樹君のヒットと相手の失策、さらにバントで1死二、三塁と、下位打線で好機を作って1番東泰斗君がレフト前にタイムリーを放ち4点目。
さらには、堀内君の振り逃げで送球が逸れる間に、三塁走者が生還。、なおもその後、暴投もあって県岐商にとってはラッキーな形で追加点が入った。4番の安藤君もセンター前に運び決定的ともいえる7点目を加えた。

 連投となった県岐商の先発・間宮宏樹君は、1~4回までは毎回先頭打者を出すなど、必ずしも良いい内容ではなかったが、6回を投げて無失点は、大事なところはきちんと投げていたということの証明でもある。
間宮君自身も、「得点をとってくれたら、その次の回は、きちんと3人で抑えなくてはいけないのですけれども、先頭打者を出してしまっていて、あまりよくありませんでした」と、反省しながらも、それでも、「要所は締められていたと思います」と、相手に得点を与えなかったことに触れるとニコリとした。


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連投となった県岐商・間宮君

 県下最多ともいえる109人の部員がいる県岐商。藤田監督は、夏の甲子園ベスト4に進出した2009年のチームに比べても、引けを取らないくらいの手ごたえを感じているようだ。「皆、志を高くして入ってきてくれています。これだけの部員が、まとまっていくことができれば、かなりの力になると思います。それが、徐々に出来つつあると思います」と、チームのいいムードを実感していた。

これで、2年ぶりの春季東海大会決勝進出となったが、開催県の1位代表の責任として決勝進出を果たしたことにも安堵したことだろう。岐阜県勢は、このところ2年連続して優勝(昨年は大垣商)しているだけに、ここまで来たら地元でもあり3連覇を目指したいところだ。

 東邦にとっては、県岐商は、練習試合もよく行う、お互いに手の内も知っている相手である。
この日は、1番に関根大気君を起用し、右横手投げの竹中君が先発したが、もう一つ歯車が噛み合わなかった。森田泰弘監督は、ベンチからはいつも大声で、選手を激励している。

7点を追いかけることになった7回には「ここから勝負だ、行け!」と送り出して、桑山昂君が二塁打を放つなどして何とか一矢を報いてコールドゲームを逃れて意地を示した。
しかし、失策が失点に絡み、ゲームプランも崩れて最後まで流れを引き寄せられなかった。そんな中で、3人目に登板した石田健人マルク君が良いリズムで投げて、2イニングを3人ずつで抑えたのは好材料だろう。

(文=手束仁)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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