試合レポート

佼成学園vs都立西

2012.04.04

佼成学園vs都立西 | 高校野球ドットコム 

渡辺(佼成学園)

大量援護に守られ、川辺完投勝利!ミスに泣いた都立西

公式戦初登板の川辺が好投し、打線は12安打を放って快勝した。

2回、佼成学園はヒットと敵失でチャンスを広げると、瀬尾2点タイムリーで先制。さらに吉田大も2点タイムリーを放って追加点を挙げる。
初回を三者凡退に抑えた渡辺は2回、ランナーを二塁に背負うが無失点で切り抜ける。すると3回表、1アウトから再び相手エラーでランナーを二塁に置くと、神足にタイムリー二塁打が飛び出してリードを広げる。そして瀬尾に2打席連続タイムリーが生まれて6点目。佼成学園都立西のミスを逃さずに着実に点を奪い取っていく。

これ以上の失点は許されない都立西は4回、四球とヒットで無死一、三塁とピンチを招き、先発左腕の中西から赤沼へと交代を告げる。一塁ランナーの吉田大は初球に盗塁を決め、無死二、三塁。ここで4番の猪野がライトへきっちりと犠牲フライを打ち上げて7点目。続く越後もタイムリーでつなぎ、都立西を突き放す。

都立西はなおも苦しい状況であったが、けん制でランナーを刺してこの回を2失点でしのぐ。

渡辺はほぼ毎回ランナーを背負う展開も、要所を締めて都立西にホームは許さない。
5回表、佼成学園はこの試合初めて三者凡退に打ち取られるが、6回表に2死から吉田大が二塁打で出塁すると、ノーサインで三盗を試みる。果敢な走塁が奏功し、盗塁成功。さらにキャッチャーからの送球を都立西の三塁手・須川がエラーして吉田大が9点目のホームを踏んだ。


佼成学園vs都立西 | 高校野球ドットコム 

1番・桐生(都立西)

 しかし0-9、大差をつけられても都立西は気落ちなどしていなかった。
7回裏、この回先頭の代打・小阪がショートへの内野安打で出塁するが、続く中西は内野ゴロで1死一塁。その後2死一塁となり万事休すかと思われたが、ここから都立西が驚異の粘りを見せた。

8番・畑がショートへの内野安打で2死一、二塁とすると、9番・橘もショートへの内野安打で満塁と好機を広げた。
ベンチもスタンドも大盛り上がりの中、トップに返って桐生が打席に入る。この桐生がライトへはじき返し、二者が生還。完封目前の都立西から2点をもぎ取った。
だが佼成学園・藤田監督は「もっと早く点を取られてもおかしくなかった」と振り返るように、2失点は想定の範囲内だった。

そして都立西の反撃もここまで。
2番・須川がピッチャーゴロに打ち取られて試合は結した。

1年前まではベンチにも、遠征のメンバーにも入っていなかったという渡辺が2失点で7回を投げ切った。
この渡辺について藤田監督は「僕が一番どきどきしていました」と表情を崩しながら語った。
「これまで隠してきたわけじゃないんですが、ひと冬超えて変わりました。プレッシャーもあったと思いますが、見事でした。出来すぎです」

序盤からの大量援護に助けられ、背番号18のサウスポーが公式戦初登板を初完投勝利で飾った。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?