準備しておきたい応急処置グッズ
第31回 準備しておきたい応急処置グッズ2011年10月30日
応急処置グッズをもう一度確認してみよう。
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
練習や試合中にケガをしたとき、皆さんはどうしていますか? グランドでケガをしたときには、適切な応急処置を行うことが必要です。プレーが出来るからといってそのまま続けてしまっていると、のちにケガや傷口などが悪化してしまい、復帰までに時間がかかることも考えられます。今回はグランドに備えておきたい応急処置グッズやトレーナーバッグに入っている中身などについてお話をしたいと思います。
一番よく見かけるものは、擦り傷・切り傷ですが、軽傷である場合がほとんどであり、練習や試合を休むことはありません。こういったケースは、傷口を流水でよく洗い流した後、患部を保護しながらなるべくプレーに支障が出ないように応急処置を行います。プレーが続行できないほどのケガであれば、RICE処置などを行った後にすみやかに医療機関を受診するようにします。まずはグランドに備えておきたい応急処置グッズについて、購入しやすいものを中心にご紹介したいと思います。
★・・・必ず準備しておきたいもの
☆・・・あれば便利なもの
《創傷処置》(キズの手当て)
★滅菌ガーゼ(脱脂綿は綿毛が傷口についてしまうため、創傷処置には適さない)
★救急絆創膏(指用やある程度大きいものなど各種)
★消毒液(土や砂利などが傷口に入り込んでいる場合はオキシドール、それ以外はポピドンヨード(イソジン等)を使用)
☆湿潤療法用の保護材(薬局で購入できるものではキズパワーパッドなど)
☆メディカルグローブ(いわゆるゴム手袋。血液感染を防ぐために使用する。ない場合はビニール袋で両手を保護して作業する)
☆裁縫道具(ピンセットや針など)
☆綿棒
《アイシング用》
★ビニール袋(いろんな用途があるので必ず入れておこう)
★バンテージ・包帯類
★コールドスプレー(あくまでも一時的なもの。冷やすときは必ず氷で行う)
☆氷嚢(あれば。ビニール袋で十分対応可能)
《ケガへの対応》
★テーピング各種(ホワイト、伸縮テープ、非伸縮テープなど)
★はさみ
★三角巾(脱臼したときの固定に。1塁ベースなどへの帰塁時に肩を脱臼することがある)
★眼帯(目やその周辺部を保護する。意外と使う)
☆白色ワセリン(皮膚の保護・靴ずれ対策等)
☆副木・シーネ(骨折疑いのときに固定として使用。新聞紙や雑誌、傘、タオルなどでも代用可能)
《爪の保護やケア》
★爪切り
★やすり
★液体絆創膏(創傷処置でも使用。テープを利用して爪の補強に使うことがある)
《薬品類》市販で購入できるものを中心にそろえる。
☆鎮痛剤
☆胃腸薬・整腸剤
☆胃薬
☆風邪薬
《その他》
★人工呼吸用キューマスク(万一に備えて準備しておきたい。ネットなどで購入可能)
★筆記用具
★体温計
★コンパクト鏡(目のケガ、コンタクトのトラブル等使用頻度は高い)
☆うちわ(もしくは扇子。実は熱中症対策用で持っている)
いざケガが起こった時にあわてないよう、必要最低限の準備をしよう。
以前は選手の健康保険証をコピーして各自保管しておくことなども提案していたのですが、現在ではほとんどの病院でコピーは受け付けてもらえないようです(保険証がなければ自費で全額負担もしくは一時預かり金などを支払い、後日清算することが多い)。
緊急を要する場合に備えて、ある程度お金を準備しておくことも必要です。またよく行く病院(整形外科・内科・眼科・歯科・総合病院など)の連絡先リストを作って、救急箱の中に入れておくと便利です。
私のトレーナーバッグの中にはこのほかに、筋肉や関節に対してアプローチするジェルやクリーム類、テーピングを行うための備品(タックスプレー、リムーバースプレー、ベビーパウダー等)、のど飴やナトリウム補給用品などが入っています。いろんな状況を想定して準備することは大切ですが、使う用途と目的を理解しておくことが大切です。いろいろあるけど「何に使うものか」がわからないままでは、準備したものが宝の持ち腐れになってしまうことも。こちらも物品のリストと簡単な用途を明記しておくと良いでしょう。
応急処置を必要とするものの多くは軽傷であることが多いのですが、いざケガが起こった時にあわてないよう、必要最低限の準備をしておきたいものですね。
【準備しておきたい応急処置グッズ】
●応急手当の多くがすり傷・切り傷。軽症の場合は流水で傷口を洗った後に創傷処置を
●応急処置グッズのリストを参考に、必要なものを準備しておく
●代用できるものは代用品でも可能。臨機応変に対応しよう
●近所の病院リスト、応急処置用の物品リストを作っておくと便利
●使う用途と目的をしっかり理解しておくこと
★【野球部・マネージャーにおすすめ!】★
応急処置グッズ・病院リスト(PDF)
※このPDFをプリントアウトしてすぐに見れる場所や救急箱の中などに置いておこう!
(文=西村 典子)
次回、第32回公開は11月07日を予定しております。