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病院を受診するときの心構え

2011.02.28

第15回 病院を受診するときの心構え2011年02月28日

病院を受診するときの心構え

こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

いよいよ野球シーズンも間近に迫り、皆さんのチームでもこれから本格的な野球の練習を行っていくと思います。しかし練習を続けているとどうしても痛みを感じる部位が出てくるかもしれません。突然ケガをした場合、まずは患部を冷やすことを優先させますが、病院を受診して適切な処置を受けることが必要な場合もあります。

今回は病院を受診するときに心構えについてお話します。

まず病院を受診するときに「どこの病院を受診すればいいのか」ということですが、なるべくスポーツを専門に診ている医師の診察を受けるようにしましょう。ただし高度先進医療の認定を受けている病院の場合(大学病院や総合病院など)、直接受診を希望すると「特定療養費」といって別途費用がかかる場合があります。病院では規模や特性などに応じてあらかじめ機能分担がされており、高度医療を専門とする病院の場合は、近隣の病院からの紹介状を持って受診することが勧められているからです。これらのことを理解した上で、まずは近隣病院を受診することをオススメします。


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「健康保険証」「診察券」を忘れずに!

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病院には「健康保険証」「診察券」を忘れずに持参しましょう。毎月保険証の提示を求められることも多く、初診以外であれば診察券も必要となります。

また実際の診察では服装にも注意が必要です。急なケガの場合は致し方ありませんが、ユニフォームは脱ぎ着がしにくく、診察の際に時間がかかってしまいます。患部(=ケガの部位)は出来るだけ露出しやすいように工夫しましょう。肩や肘を診てもらう場合は半袖もしくは腕まくりをしやすいものにする、膝などの下肢の場合は短パンなどをあらかじめ用意しておくといったことを心がけると診察がスムーズになります。

診察というとどうしても緊張してしまいますが、その理由の一つはむずかしいスポーツ医学用語がわからないことではないでしょうか。わかりにくい言葉があったときは遠慮せずに尋ねましょう。またメモを持って受診することも心強いです。メモにはあらかじめ聞いておきたいことなどを書いておくといいでしょう。私が選手によくお願いしていることは「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を確認してほしいということ。ケガをしても患部以外は運動していいかもしれないし、この動きはやめておきましょうと言われることもあります。これならわかりやすく、自分で出来ること(セルフコンディショニング)の確認にもなります。

レントゲン検査では骨の状態をチェックすることが出来ますが、軟骨や靱帯の損傷などははっきりと写らないため、MRI検査などの精密検査を受けることがあるかもしれません。そのときは、検査結果が当日にわかるのか、後日であればいつになるのか、今日検査が必要でなくても次回必要なのかといった今後の診察のスケジュールなどについても、医師と話をしておくとこれからの治療方針などもわかりやすいでしょう。

病院を受診するときの心構えをまとめておきます。あらかじめ準備しておくだけでずいぶん気持ちにも余裕ができますので、皆さんもぜひ実践してみてくださいね。

● まずは近隣病院を受診すること(スポーツドクターであればなお良い)
● 健康保険証と診察券は忘れずに
● 診察しやすい服装で
● メモを持っていくと心強い
●「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の確認
● 検査を受ける場合は今後の診察スケジュールも確認すること

(文=西村 典子

次回、第16回公開は03月15日を予定しております。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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