野村シダックス時代の正捕手として活躍した坂田精二郎監督（立正大）は大学日本一を経験。さらなる人材輩出に期待
坂田精二郎監督
11日、野村克也氏の逝去が発表され、多くの著名人がコメントを発表している。改めて野村氏は多くの人に影響を与えた人物だと実感する。
前回はシダックス時代の教え子で、高校野球の指導者として活躍しているケースを紹介したが、今回は大学野球で日本一になった立正大の坂田精二郎監督を取り上げたい。
坂田氏は野村政権時代、シダックスの正捕手として活躍した方だ。以前、思い出の日本選手権を振り返る企画で取材したとき、坂田監督は野村氏から教わったことについて、
「『根拠のないリードをするな』ということでした。どんな1球でも意味があると、常に根拠があるリードを心掛けていました」
坂田監督はシダックス廃部後、当時、新興チームだったセガサミーへ移籍した。現役晩年にその雄姿を見たことがある。かなりローカルな大会になるが、2010年の東京都春季企業大会のセガサミーvs鷺宮製作所戦。8回終わって5対5の同点。9回表に坂田監督が登場。絶妙なリードで、9回、10回を無失点に抑え、そして10回裏、無死一、二塁で坂田監督に打席が回り、絶妙な犠打。そしてサヨナラ勝ちとしたが、あの緊迫とした場面で登場して、攻守で落ち着いたプレーをする坂田監督のすごさを感じた試合だった。
その後、坂田監督は2013年4月に立正大の監督に就任し、2018年秋、東都一部優勝をおさめ、さらに明治神宮大会決勝戦で伊藤裕季也（横浜DeNA）の逆転2ランで環太平洋大学を下し、10年ぶりの優勝に貢献した。伊藤は坂田監督から「いろいろなことを教わり、考えて野球をやるようになりました。考え方1つで結果に表れるようになりました」と感謝の言葉を述べている。
今も立正大は東都一部の強豪に君臨。ポテンシャル、思考力の高さが備わった選手を育てる立正大の坂田監督の育成に注目だ。
（文＝河嶋 宗一）
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