第458回 東海大菅生(東京)実戦守備のノックで「心、技術、野球脳」の三拍子を鍛える2017年12月18日

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【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]実戦主義ノックで守備と走塁は表裏一体の関係にあることを叩きこむ
[2]エラーするポイントが分かれば守備にも走塁にも生きる
[3]12月の強化練習、日々のノックで鍛えて、春は逆襲の大会に

 夏の甲子園ベスト4入りした東海大菅生。準決勝までの4試合で、145打数58安打35得点 7本塁打 12失点 2失策。数字面からみて分かる通り、投手力、走塁、守備、打撃全てにおいてハイレベルなチームは、「守備」を基本線にチームをつくりあげることでも知られている。では、鉄壁の守備は実際にどのような生成過程を経ているのか?今回の野球部訪問では「日々のノック」にクローズアップしてお届けしていきたい。

走塁、守備の意識を高めれば、比例するように、技術も高まっていく



ノックを打つ若林 弘泰監督(東海大菅生)

 まず東海大菅生が守備を重視する理由について社会人・日立製作所、中日ドラゴンズで投手としてプレーした若林 弘泰監督は投手心理も交えてこう語る。
「やっぱり守れないと不安になるんですよね。打撃は水物じゃないですか。守りは安心というレベルまで鍛えます」。事実、守備練習の中身は実に濃い。


 守備練習では必ず走者を付けて若林監督が直々にノックを行う。場面は無死二塁、無死一、二塁と様々な状況からスタートさせ、その場面に対してはどんなプレーをすればいいのか、どんな備えをすればいいのか、無意識にできるレベルまで数をこなす。そう「実戦主義」が東海大菅生のスタイルなのだ。

 このスタイルが始まったのは2013年春、都大会で日大三にコールド負けを喫してから。そしてて若林監督が直々にノックをするようになってからは2014年から2017年まで夏の西東京大会で決勝進出。方針切り替えは大成功だった。

 加えてこの「走者付きノック」は守る選手だけではなく、ランナーの判断力もポイントになる。
「これはただ守備を鍛える練習ではありません。走者は打球を見て、走る。そこで、エラーすれば、次の塁を狙う。そこで気づいてほしいのは、どういう場面がエラーしやすいのか?それはいろいろあると思います。そういう時にいざ守った時に、これはエラーしやすいから、この場面はエラーしないよう気を付けよう、あるいはそこに備えて次の塁を狙える選手がレギュラーになれます。だからノックは一見、守備練習でもあるのですが、走塁練習も兼ねているんです」(若林監督)

 つまり東海大菅生の守備練習は守る選手にとっても走塁のヒントがあり、そして走者も守備がうまくなるヒントが詰まっている。「表裏一体」なのだ。
 しかし、言葉で分かっていても実践するのは難しい。東海大菅生ですら走者と守る選手が入れ替わってノックできるまでかなり時間がかかる。

「練習中に守る選手とランナーが入れ替わるのは春の大会が終わるまでないですね。今の時期はずっとレギュラーが守っています。控え選手の走塁での理解度が変わってくるのはこの時期になってからで、例年そうです。そしてうちは部員が多いので、3学年になると、チームがAからDまで分けます。
 厳しい言い方になってしまいますが、なかなか試合に出られない選手は走塁に対する意識や守備に対する意識が低い。今のままではいつまでたっても、Aに上がることはできないぞ!と発破をかけることもあります」


 ランナー付きのノックだけではなく、東海大菅生はノーエラーノックもやる。外野手はバックホームで走者を刺すノックで、捕手はファンブルしてはいけない。そして内野手は決められた本数をノーエラーで完了する。
 守っている選手たちにとっては非常にプレッシャーがかかるスタイルのノックの校歌を高校生を代表するショートへ成長した田中 幹也はこう語る。

 「本当にノックは精神的にきついですが、これを乗り越えると、だいぶメンタルが鍛えられます」。若林監督にとってもそれは1つの狙いである。「やはり試合で勝てるためには精神的に追い込むことは必要です」と激しいノックをする意図を明かしてくれた。

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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