Column

キミも身体の使い方の達人になろう!

2011.12.01

廣戸聡一の4スタンス理論 第1回 「キミも身体の使い方の達人になろう!」

第1回 キミも身体の使い方の達人になろう!2011年12月01日

 今日から始められる“身のこなしのコツ”を学ぼう

 今、話題の高校野球漫画『GRAND SLAM』にも技術指導をされている廣戸聡一先生は、球技はもちろんダンス・新体操から格闘技・パワーリフティングまで、様々なジャンルのアスリートに“身体の使い方”の指導をされているアドバイザーです。野球でもプロ野球から高校野球まで、数多くのスター選手の技術的バックアップをされています。

 今後もますます注目が集まる達人に、甲子園を目指す高校球児がどんなことをしたら技術が向上するのか、直撃取材しました!

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「高校野球らしさ」への回帰

【廣戸道場 廣戸聡一先生】

 高校野球らしさの象徴として、しばしば「全力疾走」が挙げられます。若者たちが一生懸命に走っている姿が、見ている人たちを惹きつけるのでしょう。汗と涙、青春そのものを感じられる様子は、まさに高校野球そのものです。ただ、私がここで言いたいのは決して見てくれの問題ではありません。全力で行うことには様々な副産物がある。そういうことに気づいてほしいのです。

 まず、全力で物事を行っていると、そのなかでしか分からない身体の使い方…言い方を変えると「コツ」をつかむことができます。どういう風に走ったときに、最も軽快に駆け抜けられるんだろう。一生懸命にやったのに、なぜか思ったより速く走れない。そんな感覚は全力で行わずしてつかめません。

 また、試合前の整列を思い浮かべてみてください。強いチームほど全力疾走で走り、かつ、あっという間にきれいな列を作りますね。これは“空間を把握する能力”が高いからなのです。近くにいる人との間隔や、自分が止まるべき位置をピタッと感じられる。すると中継プレーなんかでその力が発揮される。ランナーになったときも野手とボールの位置がきちんと把握できる。こんな選手たちが集まれば、それは強いチームが出来上がるでしょう。


一番いい練習は走ること

【ランニング練習(野球部訪問より)】

 昔の野球選手は、それはそれはたくさん走ったようです。「走らないヤツは伸びない」「まずは走って走って基礎をつくれ」などと言われ、まるで陸上部のように走っていました。
 今となっては“非効率”と片付けられてしまいますが、実は非常に意味のある練習だということに多くの人は気づいていません。走り込み(ここでは短距離、長距離を含める)の効果は、よくいわれるような下半身の強化やスタミナ強化だけではありません。むしろ野球選手にとって、より重要な目的は「軸の獲得」にあるのです。

 走るという行為は、常に片足立を繰り返しながら移動しています。片脚ということはその都度バランスを取る必要がありますし、きちんとした姿勢を作らないと大きな力は発揮されません。

つまり、走りながら1歩につき1回、軸を作っているということになります。10歩で走れば10回、5km走って5000歩であれば5000回の軸作りをしているわけです。

 また、重心のコントロールという意味でも走ることは重要です。野球の動きはバッティングでもピッチングでも、重心をコントロールすることで行われています。これがうまくできないということは、遠くに打球を飛ばしたり速い球を投げたりすることができないということになります。走ることとは何の関係性もないように見えますが、自分の身体のなかで重心を入れ替えるというのはどんな動きも同じことなのです。歩幅のなかで、腕を振ったり速く走ったりということが平気でできれば、野球の動きになったときにも、身体は自然と重心をうまくコントロールできるようになっているのです。

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■ 次回の廣戸聡一の4スタンス理論の公開は2011年12月08日予定です。お楽しみに!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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