「ストップ・ザ・大阪桐蔭打線」でカギを握るのは
左から吉村 優聖歩、森下 瑠大、冨田 遼弥、有馬 伽久、杉山 遥希
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第104回全国高校野球選手権が8月6日から甲子園で行われる。優勝候補筆頭とされる大阪桐蔭は、今センバツを圧倒的な力で制し、この夏も大阪大会で強さを誇って勝ち上がってきた。複数のハイレベルな投手陣を擁し、野手も個々のレベルが高く、どこからでも得点がとれる切れ目のない打線を形成している。
果たしてこの「王者」を止められるチームはどこなのだろうか。春季近畿大会決勝でこの大阪桐蔭に唯一、土をつけた智辯和歌山が対抗の筆頭に挙げられる。また、昨年夏の甲子園で大阪桐蔭を破り、今年のセンバツでは決勝で対決した近江(滋賀)もその候補の1つだろう。
しかし、どうしてもひっかかることがある。今センバツで大阪桐蔭が苦戦した鳴門(徳島)だ。大型左腕の冨田 遼弥投手(3年)が大阪桐蔭打線を8安打3失点。打線の調子が上がらないセンバツの初戦だったという条件を差し引いても、敗れはしたが好投したと言える。スタメン9人中、7人から三振を奪っている。重い球質を感じさせる直球と低めへの変化球を武器に大阪桐蔭打線を苦しめた。その鳴門が再び、対戦したら…。互いにレベルアップしてきた最後の夏にもう一度、対決を見てみたい気がする。
冨田だけでなく、今大会注目の左腕は多い。京都国際・森下 瑠大投手(3年)、横浜(神奈川)・杉山 遥希投手(2年)、愛工大名電(愛知)・有馬 伽久投手(3年)の名前が浮かぶ。明徳義塾(高知)の吉村 優聖歩投手(3年)はサイドから威力のある直球と変化球を武器にして通常の左腕よりは攻略は難しそうだ。今夏の地方大会も見ても、昨年夏に比べて直球に威力が増しているように見えた。
東京勢の2チーム、二松学舎大附(東東京)の辻 大雅投手(3年)、日大三(西東京)の松藤 孝介投手(3年)はともに左腕を擁している。鹿児島実の赤崎 智哉投手(3年)も球質が重そうな直球を持つ。
運命の抽選は3日。大阪桐蔭の初戦の相手はどこなのか。左腕との対決になれば、ますます試合が楽しみになる。
(文=浦田 由紀夫)